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ポケモンフィギュア「コダック」の人気が沸騰すると、そこに潜む商業的価値に目を付ける人が出てきて、敏感な若者はビジネスチャンスを嗅ぎつけた。こうして一連の「コダック派生経済」が掘り起こされるようになった。
自分の代わりにコダックが働く 1週間で500元
働く「95後(1995年から1999年生まれ)」の巨巨さんは、自宅近くのケンタッキー・フライド・チキン6軒をすべて回り、ラッキーなことにコダックを1個手に入れることができた。
それからというもの、「好きなアイドルの応援動画を撮ってほしい」、「コダックを利用して誕生日の祝福メッセージを撮ってほしい」といったお願いが友人から次々に来るようになった。
お願いをする人が多くなるにつれ、巨巨さんは「コダックを利用して代わりに動画を撮る」ことをビジネスにし始めた。原稿執筆時点で、150人近いネットユーザーにコダックの祝福メッセージを送り、1週間で500元(1元は約19.2円)稼いだという。
理工系男子がコダックの修理を仕事に
コダックがなくても、ビジネスはできる。
工学部出身の「00後(2000年代生まれ)」の小虎さんはフィギュアの愛好家で、普段からおもちゃの研究に精を出している。ネットで「コダックが動かなくなった」や、「腕が動かない」、「音が出ない」、「ジョイント部分が壊れた」などと助けを求める声が上がっているのを見て、思い切って「コダックの修理」を仕事にすることにした。
修理の過程で、小虎さんは電池の持続時間に不満を持つ人が多いのに気づき、内部の乾電池構造を改造して携帯電話の充電ケーブルで充電できるようにしたところ、たくさんの注文が入ったという。
コダックのドレスアップでビジネス 現在は10日間待ち
多くの人にとって、コダックは単なるおもちゃではなく、交流のパートナーでもあり、それなりの特別感が欠かせない。ただ所有しているだけでなく、それをきれいにドレスアップしたいという願望がある。
「95後」の女性の小火さんは編み物が好きで、コダック人気が高まると、編み物でコダックをドレスアップする注文が次々入るようになった。「今はコダック用の注文だけで10日間待ちの状態。(副業が忙しくて)普段の出勤より疲れる」という。
街へ出てダフ屋が価格をつり上げたコダックを高値を払ってまで買う人もいれば、柔軟な思考で自分の趣味を活かし、コダックをめぐるサービスでお金を稼ぐ人もいる。こうしたことは今に限ったことではない。これまでも、「買う」ことだけが若者の自己表現のスタイルだったわけではないのだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年6月1日