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30歳で貯金はいくらあればいい?2千万あっても心配な人も 中国

人民網日本語版 2022年05月31日11:28

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「90後(1990年代生まれ)」の最初の世代が30歳を迎えている。最近の研究分析によると、この世代の貯金額は27万元(1元は約19.2円)から38万元の間が多いという。一体、30歳の理想的な貯金額はいくらなのか。貯金は安心感をもたらすのか。

ここでは、何人かの「90後」のケースをご紹介しよう。

「質の高い資産は貯金より価値がある」

不動産業界の部門リーダーを務める斉彦さん(32歳) 貯金額10万元

思うに、30歳にとっては、豊かさの程度を推し量るには、資産を見ることがカギで、貯金は重要ではない。自分は2011年に大学を卒業して不動産業界で働くようになり、3年で40万元以上稼ぎ、14年に住宅ローンで初めて住宅を購入した。その家は現在、購入時の2倍の値が付いている。

30歳の頃、自分の貯金額は10万元近くで確かに多くはなかったが、負債はゼロで、海南省の海口市と三亜市にそれぞれ持っていた不動産の時価総額は約500万元だった。自分は早くから貯蓄の習慣を身につけるべきだと考えている。20代の頃のようにがむしゃらに働き続けることは不可能だし、ワークライフバランスも重要だ。この時期に蓄積した富と質の高い資産がこれから効果的に価値を高めていくだろうし、質の高い資産は貯金よりも価値がある。

「30歳の貯金が40歳の道を明るく照らすわけではない」

広告会社を起業した安妮さん(30歳) 貯金額150万元

12年に上海大学美術学院を卒業した時、実家にお金を60万元余り出してもらい、友だち2人と出資し合って作業スタジオを立ち上げた。それから5年間、我々3人の創業者は給与に株の配当を合わせて200万元余りを稼いだ。

20年に新型コロナウイルス感染症が発生すると、作業スタジオの経営は非常に厳しくなり、エキシビション部門をなくして、ショート動画部門に転向せざるを得なかった。会社のキャッシュフローが尽きて、創業者3人の貯金を切り崩してなんとか持ちこたえた。この2年間で1人100万元近く投入した。今年初めになって、作業スタジオは徐々に再開できるようになった。

今、自分は貯金を加えて150万元の資産を運用している。もともと30歳までに「人生最初の500万元を稼ぐ」を実現するつもりだったが、こんな思いがけない災難に見舞われるとは思っていなかった。自分にとって、30歳の貯金が40歳の道を明るく照らし出すことはない。

30歳で貯金がいくらあれば理想的かというと、これはまったく数量化できない。安定した仕事がある人なら、30万元から50万元の貯金があれば枕を高くして寝ていられる。しかし起業家にとって、この程度の貯金ではリスクへの備えでも十分でないし、介護や医療などの問題が考えられないのは言うまでもない。

また、学歴や家庭環境もそれぞれ違うので比較はできない。高学歴のトップレベルの人材なら1-2年も働けば普通のサラリーマンの給料の10年分を稼ぐことができる。自分の場合、最初に実家から60万元余りの資金を出してもらって起業しなかったら、100万元を稼いで貯金するチャンスはまったくなかっただろう。

「自分の理想は30歳までに住宅ローンを完済すること」

国有企業のエンジニアの楊揚さん(28歳) 貯金額8万元

30歳でいくら貯金があれば理想的かなんて私に聞かないでほしい。自分の理想は30歳までに住宅ローンを完済することだ。大学では建築学を学び、16年に卒業すると国有企業で建築技術者になり、今は成都市で働いている。18年に住宅ローンを借りて最初の家を買った。住宅ローンはまだ30万元以上残っていて、貯金は数万元しかない。

個人的に思うのは、「三十にして立つ」には、貯金はそれほど重要ではない。安心立命の境地でどんなことにも動じず心安らかに生きられる力が最も重要だ。どんな時でも、最も貴重な富は富そのものではなく、富を作り出す能力だ。

「三十にして立たず 親のすねをかじらなければならない」

事業機関の職員の黎程さん(30歳) 世帯資産10万元

「30にして立たず」が自分の現状だ。自分は今年もうすぐ31歳になる。大学を卒業して実家に帰り、ずっと事業機関で働き、18年に結婚して、今、3歳の子どもがいる。

小都市の事業機関で働く自分の年収は5万元にもならない。自分の収入だけで家や車を買おうと思ったら、飲まず食わずで20年はがんばらないといけない。

18年に結婚するのに先だって、双方の両親が価格70万元以上の今の住まいの購入をサポートしてくれた。当時、自分たち2人の貯金を合わせると30万元余りあり、結婚後も20万元以上残っていて、これだけあれば子どもが生まれても大丈夫だと思っていた。でも甘かった。妻はダンスの先生をしており、妊娠して娘が生まれると、長い間働けなかった。幸い、双方の両親が子どもの世話をしてくれ、子どもにかかる費用も一部負担してくれた。娘は今年3歳になり、結婚後にあった20万元余りの貯金は、大半を使ってしまった。

三十にして立つというが、立つかどうかは重要ではない。重要なのは物質的ニーズと貯蓄とのバランスが取れるかどうかだ。貯金は数字に過ぎない。生活こそが本質だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2022年5月31日

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