中米外相会談で「ガードレール」が焦点となった理由

人民網日本語版 2022年07月11日16:09

中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は9日、インドネシア・バリ島でのG20外相会合出席後、ブリンケン米国務長官と会談した。中国新聞社が伝えた。

国際問題の専門家は、「今回の会談は中米間の上層部交流が実務的段階に入った重要な一歩であり、両国関係を問題の解消と苦境からの脱却へと後押しする助けとなるものだ。『ガードレール』という言葉が大きな焦点となったことも、米側が中米関係の制御不能化が深刻な結果をもたらすことに気づき、溝を埋め、コントロールしようとしていることの表れだ」と指摘する。

米側の主張に対して、中国側は「ガードレール」が「レッドライン」を意味することを政治・戦略面から明確にした。今回の会談で王部長は「中米間の3つの共同コミュニケこそが、両国にとって最も頼りとなる『ガードレール』である」と直接応じるとともに、それぞれが3つの共同コミュニケにおける約束を的確に履行しさえすれば、両国関係が脱線し、制御不能となることはないが、そうしなかった場合は、いくら「ガードレール」を増やしても「役に立たない」ことを強調した。

さらに王部長はこの原則に基づき、台湾地区問題について「米側は必ず言動を慎まなければならない。決して『台湾独立』勢力にいかなる誤ったシグナルも送ってはならず、領土主権を守る中国国民の断固たる決意を見くびってはならず、台湾海峡の平和を葬り去る壊滅的過ちを犯してはならない」と中国側の厳正な立場を表明。また、米側に「4つのリスト」、すなわち▽米側に誤った対中政策・言動を正すよう要求するリスト▽中国側が懸念する個別の重要案件のリスト▽中国側が特に懸念する中国関連法案のリスト▽8分野の中米協力のリストを提示し、「米側がこれらをしっかりと真剣に受け止めることを望む」とした。国際問題の専門家によると、最初の2つのリストはすでに天津会談で提示されたものであり、後の2つのリストは今回の会談で新たに追加されたものだ。

外交学院の王帆副院長は「中国側は繰り返し立場を明らかにし、具体的問題に焦点を合わせて4つのリストを提示し、双方間の摩擦の根本的原因を指摘し、中米関係改善の『ロードマップ』を提示して、米側と対話する中国側の誠意を示した」と指摘する。

しかし、何が「ガードレール」であるかを明確にすれば、その「ガードレール」は確実に設けられるのだろうか。専門家の見解では、これは主に米側が約束を確実に実行できるか否かにかかっている。

しばらく前から、米側の言行不一致が続いている。米国は、口では「中国との『新冷戦』を求めない、中国の体制転換を求めない、同盟関係を強化して中国に対抗することを求めない、『台湾独立』を支持しない、中国と衝突を起こす意図を有しない」と繰り返し約束する一方で、 絶えず対中制裁を強化し、台湾地区との結託を強化し、新疆関連の嘘をでっち上げており、自らの言行に矛盾をきたしている。

王副院長は「米側は現在、中米間の3つの共同コミュニケで約束した事を成し遂げていない。そしてこれはまさに、中国側の核心的懸念なのだ。もし米側がいわゆる『ガードレール』を真に望むのなら、自省して、自らに『ガードレール』を設けるべきだ。最も肝要なのは、中国側の核心的利益と主権及び領土的一体性を尊重し、中国側の社会制度と発展モデルに対する敵意を取り除くことだ」と指摘している。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年7月11日

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