甘粛省敦煌市の仏教遺跡・莫高窟にある蔵経洞と、そこから出土した5-6万点の文献がこのほど、デジタル技術のサポートの下、「公開」された。
デジタル蔵経洞のイメージ画像(写真提供・取材対応者)。
敦煌研究院と、騰訊(テンセント)互動娯楽は今月15日、共同で「文化遺産デジタルクリエイティブ技術聯合実験室」を立ち上げた。今後は共同で、文化遺産展示の新技術や新スタイルを模索する。「デジタル蔵経洞」は同実験室の第一陣のプロジェクトの1つだ。
1900年、蔵経洞は偶然に発見された。そして7平方メートル未満の洞窟内から、4世紀から11世紀に至るまでの文献5-6万点も見つかった。「国際的な顕学」とさえ呼ばれる敦煌学は、漢字やチベット文字、吐蕃文字で書かれたそれら仏教典籍や社会文書を重要な研究資料としている。
実験室は、デジタルツイン技術を駆使して、1:1の比率で蔵経洞を再現。さらに、海外に流失したり、博物館で展示されたりしている文献も、洞窟内で再現している。敦煌研究院が収蔵している001号文献「帰義軍衙府酒破歴」は、再現第1号となった。
バーチャルイメージキャラクター「伽瑶」(写真提供・取材対応者)。
また、敦煌研究院と騰訊互動娯楽は、莫高窟の公式バーチャルイメージキャラクター「伽瑶」も打ち出した。莫高窟の壁画の「迦陵頻伽」をモチーフにしており、人間と交流できるほか、敦煌ダンスを踊ることができる。さらに両者は文化財のデジタル化の分野の人材育成も展開している。
「人民網日本語版」2022年6月20日