習近平国家主席は9月14~16日、ウズベキスタン・サマルカンドで開催される上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会第22回会議(首脳会議)に出席する他、カザフスタンのトカエフ大統領、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領の招待に応じて、国賓として両国を訪問する。協力が盛んに進められる中で、共に行動する意志を固める。新たな時代において、中国は各国と共に、人類運命共同体の構築という正しい道に沿って、新たな道のりを切り開いていく。新華社が伝えた。
■「上海精神」を発揚し、発展の方向性をリード
SCOは創設時の6つの加盟国から、現在では8つの加盟国、4つのオブザーバー国、複数の対話パートナーにまで発展。「SCOファミリー」は拡大し続け、すでに世界の平和と発展の促進、国際公平・正義の維持における重要な勢力となっている。
「SCOが盛んな生命力と力強い協力の原動力を常に維持してきた根本的原因は、『上海精神』を全く新たに打ち出し、かつ常に実践し、相互信頼、相互利益、平等、協議、多様な文明の尊重、共同発展の追求を主張してきたことにある」。習主席は以前、SCOのたゆまぬ発展の「秘訣」を、このように明かした。
SCOは「上海精神」に従い、異なる地域、異なる発展段階、異なる文明と伝統を持つ国々を一つにまとめ、強大な集団の力、団結の力、協力の力を生み出してきた。SCOの枠組みの下で、各国は力を合わせて「同盟ではなくパートナー、対立ではなく対話」という新たな道を踏み出し、互いの核心的利益及び重大な懸念に関わる問題において断固として支持し合ってきた。協力して「3つの勢力」(極端な宗教勢力、民族分裂勢力、テロ勢力)に打撃を与え、麻薬密輸、サイバー犯罪、国際組織犯罪の蔓延の勢いを断固として抑え込んできた。芸術フェスティバル、SCO大学、伝統医学フォーラム、職業技能招待競技会など人的・文化的事業を実施してきた。過去20年余り、SCOは輝かしい発展の成果を遂げ、豊富な協力経験を蓄積し、現在世界で最も領域が広く、人口の多い総合的地域組織へと成長し、新型の国際関係と人類運命共同体の構築のために理論と実践の面で重要な探求を行ってきた。
■前進する力を結集し、「SCOの役割」を示す
2021年にSCOはイランを加盟国として承認する手続きに入った他、サウジアラビア、エジプト、カタールを新たな対話パートナーとして承認した。
「SCO・アフガニスタン連絡グループ」の役割を発揮し、国連、ASEAN、アジア信頼醸成措置会議(CICA)など国際・地域組織と積極的に協力を実施し、「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設イニシアティブと各国の発展戦略及びユーラシア経済連合など地域協力イニシアティブとの連携を推進し、SCO銀行連合体やSCO実業家委員会を設立するなど、SCOは常に真の多国間主義をを実践し、覇権や強権、いじめにはっきりと反対してきた。これまで閉鎖的・排他的な「小集団」作りをしたことはなく、国連憲章の趣旨と原則に従うことを主張し、「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」を堅持し、グローバルガバナンスの整備のために多国間協力の新たな場とモデルを提供してきた。
インドのジャワハルラール・ネルー大学のB. R. Deepak教授は「SCOは一貫して南南協力と南北対話を提唱し、国際機関における発展途上国の代表性と発言権の強化に尽力しており、『21世紀における多国間主義の模範』だ」と指摘する。
■ウィンウィンと共有を実践し、明るい未来を切り開く
中国とカザフスタン、ウズベキスタン両国との国交樹立から、今年でちょうど30年になる。過去30年間、中国と両国との関係は時代と歩調を合わせ、開拓進取に励み、常に良好な発展基調を維持してきた。
習主席がシルクロード経済ベルトを初めて提唱した地であるカザフスタンを訪問するのは、2013年、2015年、2017年に続き、4回目となる。2013年以来、両国首脳の戦略的リーダーシップと直接的推進の下、中国・カザフスタン関係は飛躍的発展を遂げた。中国とカザフスタンは「一帯一路」共同建設を他国に先んじて試行・実行し、両国民に着実な利益をもたらしてきた。2021年には、アルマトイの大口径鋼管工場、ジャナタス風力発電所、トゥルグスン水力発電所が相次いで竣工し、稼働を開始した。カザフスタン企業は中国国際輸入博覧会に4年連続で参加。2021年、中国・カザフスタン間の商品輸出入総額は前年比17.6%増の252億5000万ドル(1ドルは約142.4円)に達した。両国の経済協力は「パンデミックの試練」に耐えて、強靭な回復力を示した。
現在、中国・ウズベキスタン関係は史上最良の時期にある。両国は政治的相互信頼を強化し続け、実務協力で実り豊かな成果を挙げ、国際・地域問題で緊密な協力を維持している。習主席は2013年と2016年の2回、ウズベキスタンを訪問。2016年には中国・ウズベキスタン関係を包括的な戦略的パートナーシップに格上げした。この年以来、毎年中国はウズベキスタンにとって最大の貿易相手国、輸出相手国となってきた。「一帯一路」イニシアティブの枠組みの下、双方は経済・貿易、投資、エネルギー、交通、農業、人的・文化的分野などいずれの分野においても緊密に協力し、鵬盛工業団地、安集延産業パーク、華新吉扎克セメント工場、明源シルクロードガラス工場など象徴的プロジェクトを実現してきた。
中国上海協力機構研究センターの孫壮志副主任は「『グリーンシルクロード』『デジタルシルクロード』建設などの理念と呼応する形で、今後SCO加盟国間の実務協力はグリーン発展やデジタル経済など多くの分野へと拡大していくとみられる。SCOは『一帯一路』建設にメカニズムの面からより多くの支えを提供していくだろう」と指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年9月13日