食事をしながら中国伝統のショーなども楽しめるイマーシブレストランが人気に

人民網日本語版 2026年05月07日15:26

中国の伝統的なスタイルである「国風」を取り入れたレストランで、食事だけでなく、漢服などを着て、パフォーマンスも鑑賞できる業態が今、消費者に全く新しい食事の体験を提供するようになっている。物資的には豊かになっている今の時代、レストランに行く人々は、一体何のためにお金を使うようになっているのだろうか?中国新聞網が伝えた。

華東師範大学思勉人文高等研究院の方笑一院長は、「消費者は、雰囲気や物語のためなら、少し高くてもお金を出すもの。現在、飲食は単に食欲を満たすだけのものではなくなっており、そこに文化的付加価値や情緒的付加価値が付されるようになっている」との見方を示している。

データは、この方院長の見方が正しいことを裏付けている。2025年9月7日、イマーシブレストラン「蜀宴賦」が上海市浦東新区にオープンさせた華東エリア1号店では、毎日、「昼の部」と「夜の部」があり、客がダンスや歌のショーを楽しみながら料理を食べることができる。祝祭日になると、観客動員率は90%を超える。また、1日の来場者のうち、外国人観光客が占める割合も平均25%を超え、最高で50%を超えた日もあるなど、増加の一途をたどっている。

華東エリア1号店となった上海の蜀宴賦で披露されている中国伝統のディナーショーを体験する外国人観光客たち(写真提供・蜀宴賦)。

華東エリア1号店となった上海の蜀宴賦で披露されている中国伝統のディナーショーを体験する外国人観光客たち(写真提供・蜀宴賦)。

「蜀宴賦」で披露される中国の伝統文化は、中国人消費者だけでなく、外国人観光客の間でも人気となっている。取材では、外国人観光客は主に東南アジアや日本、韓国、マレーシア、シンガポールから来た観光客が中心で、オーストラリア、欧米諸国、香港・澳門(マカオ)・台湾地区からの客も多く、中国伝統のディナーショーを没入型で体験していることが分かった。

方院長は、実際に「蜀宴賦」に行った後、「この種の没入型の体験は、今の消費者のワンランク上の飲食体験を楽しみたいというニーズを満たしている。料理だけでなく、優雅な店内の環境や奥深い歴史を誇る物語、及び飲食と関係がある儀礼・風習、交流も楽しめるシーン、さらには食器や衣装のコーディネートなどにもわたっているため、消費者はそれらのために喜んで付加価値分の料金を払う」とした。

中国国内外から来た客が中国伝統の衣装に対する理解を深めることができる華東エリア1号店となる上海の「蜀宴賦」で披露されている「盛世華章」がテーマの華服ショー(写真提供・蜀宴賦)。

中国国内外から来た客が中国伝統の衣装に対する理解を深めることができる華東エリア1号店となる上海の「蜀宴賦」で披露されている「盛世華章」がテーマの華服ショー(写真提供・蜀宴賦)。

中国の伝統的なスタイル「国風」の消費が多くの人の生活に溶け込むようになるにつれて、グルメや文化、シーンを融合させた「国風」をテーマとした飲食業態も革新的発展を遂げている。ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」では、「没入型国風レストラン」や「食事+文化ショー」などが注目を集め、話題となっている。

春節(旧正月)期間中、江西省南昌市にあるレストランの「豫章宴」では、客は「タイムスリップ」して、古代の美男美女カップルに扮し、マーケットをそぞろ歩きし、食事をし、パフォーマンスを鑑賞して、伝統文化を存分に楽しんだ。客の姚佳寧さん(23)は、「この明代の衣装を着て、飾り提灯を買ったり、飴細工の糖画を作ったり、射的を楽しんだりしたい。1時間以内に全てのコーナーを回りたい。このようなタイプのレストランは、『見て、食べて、遊ぶ』など、いろんな体験を楽しめる」とした。

江西省南昌市のあるレストランで行われた「豫章宴」で、食事前に漢服姿でマーケットを巡る客(2月8日撮影・朱瑩)。

江西省南昌市のあるレストランで行われた「豫章宴」で、食事前に漢服姿でマーケットを巡る客(2月8日撮影・朱瑩)。

南昌市の「豫章宴」のほか、北京市には「宮宴」、上海市には「叙宴」、山東省済南市には「秀宴」、河北省邯鄲市には「趙都礼宴」があり、異なる王朝の物語を楽しみながら、食事をすることができるようになっている。春節にこうしたレストランに行ったという陳燕さん(75)はソーシャルメディアで体験したことをシェアし、「『一家団欒』や『伝統』が強調される『春節』に、普通のレストランで、おいしい料理を食べるよりも、家族と一緒に『国風』レストランで優れた体験をするほうが感動する」とした。

パフォーマンスも楽しめる没入型「国風」レストランについて、方院長は、「グルメも伝統文化も、歌やダンスのパフォーマンスも素晴らしい」と評価し、「『おいしいものを食べる』から、『食べる時も文化を楽しむ』へのシフトは、中国の飲食業界の供給側改革に啓発を与えてくれている」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年5月7日

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