東アジアと世界の安全を脅かす日本の「新型軍国主義」の危険性に警戒せよ
高市早苗政権の発足後初となる「防衛白書」の素案が15日、メディアにスクープされた。素案は7月に閣議に報告され、8月に正式決定される見通しだ。日本メディアが明かした内容によると、素案は中国の軍事力に対して「安全保障上の脅威」「警戒」「重大な懸念」といった表現を用いている。これらの表現は、日本の「新型軍国主義」が、すでに戦後の平和体制から逸脱し、軍事力を強化し続ける段階から、中国に対して明確に「戦意」を示す段階へとエスカレートしたことを物語っている。(文:陳祥・中国社会科学院日本研究所副研究員。人民網掲載)
昨年の政権発足以来、高市首相は政治的に「米中いずれ一戦あり」に全賭けし、日本を米国による中国封じ込めの「橋頭堡」とすることで、米国から日本に対する軍事的制約の緩和を引き出そうとしてきた。わずか7ヶ月で、高市首相は日本の「新型軍国主義」を現実的脅威へと変えた。
高市政権は、フィリピンとの「物品役務相互提供協定」、ドイツとの二国間軍事協定、オーストラリアとの70億ドル(1ドルは約158.9円)規模の軍艦輸出合意など、いわゆる同盟国との軍事協定締結を進めている。これと同時に、南西諸島へのミサイル配備を加速させ、台湾問題を軍拡の口実にし、さらには台湾有事への対応に言及し、台湾にいる日本人と同盟国である米国人の退避を行うケースに触れて、「米軍が攻撃を受けた時に日本が何もせずに逃げ帰るところで日米同盟がつぶれる」と述べるなど、台湾問題で日本を米国と結びつけようとしている。
注目すべきは、防衛白書の内容が明らかになったのと同じ日、訪中を終えてワシントンへ戻る途中のトランプ米大統領と高市首相が15分間電話で話し、その後、緊急記者会見を開いたことだ。高市首相は台湾問題に関する記者の質問を極力避け、「日米同盟は揺るぎない」と繰り返し強調し続けた。中米首脳が「中米の建設的な戦略的安定関係」の構築に同意したことで、高市首相が落ち着きを失ったのは明らかだ。
従って、日本の新たな防衛白書の素案には、「透明性を欠いたまま、高い水準で国防費を増加させ続けている」と中国を非難することで、中国封じ込め戦略における日本の価値を米国に再認識させる狙いがある。高市首相の示す「戦意」は、「中国の脅威」を利用して米国を「翻意」させ、日米同盟を維持することを望んでのものだ。
素案は、高市政権のこれまでの軍事方針を全面的に強化するものだ。
第一に、軍備拡張。4月7日、参議院で可決された予算案は総額122兆円超、うち防衛費9兆円となっており、いずれも日本の戦後史上最高額となった。この巨額の防衛費は、素案で言及されているAIや無人機といった「新しい戦い方」の開発に重点的に用いられ、主に中朝など周辺国を念頭に置いている。いわゆる「新しい戦い方」とは、ロシア・ウクライナ紛争で大量投入された安価なドローン戦術を参考にし、従来の砲弾・ミサイル攻撃と組み合わせることで、大規模な複合攻撃を展開するものだ。
第二に、「対中作戦の強靭性」の強化。日本は軍事兵器の生産や軍需技術の蓄積を軍事力強化のレベルに引き上げて重視。冷戦期の「北重南軽」配備からの転換を推し進め、南西方面で弾薬庫の建設を大幅に強化し、対艦・防空戦力を配備するとともに、軍用装備品を生産可能な企業の「軍民融合」モデルへの全面的転換を推し進めることで、戦時の生産能力を強化し、平時の備蓄と全面戦争時の継戦能力を確保しようとしている。
第三に、戦後日本の「平和国家」の根幹である「平和憲法」の破壊。最近、東京の国会議事堂前では大規模な抗議活動が相次いでいる。特に5月13日には9万人以上の市民が集まり、高市政権による平和憲法第9条(戦争放棄、正規軍不保持、交戦権否認)の破壊に抗議し、改憲と軍拡に反対の声を上げた。しかし、高市首相に代表される極右勢力の最終目標は、まさに憲法第9条の改正である。大規模な反戦集会による支持率低下に直面した高市政権は、白書素案を通じて「中国の脅威」を誇張することで、軍備拡張路線を継続するための合理的な口実を作り、さらには「平和憲法」を骨抜きにし、改正しようとしている。
さらに高市政権は、いわゆる同盟国との連携によって「中国の軍事拡張」への対処を強化することを企てている。素案は、中国の正常な軍事演習・訓練や軍用機による合法的な主権維持活動を「危険な挑発」と歪曲し、中国が日本周辺で活動を活発化させているとし、総合的な国力と同盟国・同志国などとの協力により共同で対応すべきものだとしている。自衛隊は米欧同盟国との軍事演習の頻度を大幅に増やして軍事協力を強化し、日本の軍事戦略の対外的姿勢を主体的に介入する「攻撃型」へと転換しようとしている。これにより、アジア太平洋地域における軍拡競争が激化し、地政学的紛争問題がさらに複雑化するのは必至だ。
高市政権の示す「戦意」は、すでに東アジア、さらには世界の安全保障に厳しい挑戦を突きつけており、日本の「新型軍国主義」はすでに現実的脅威となっている。国際社会は、戦後の国際平和秩序を維持する観点から、日本の戦略に現れたこの危険な動きを強力な手段で防がなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2026年5月25日
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