SNSで数人集めてアプリ開発 「手搓」で小さなアイデアを大きなビジネスに

写真提供・新華社(撮影・林善伝)
「AI(人工知能)を使って高齢者のお話を回想録にまとめるアプリケーションを作りたいと思っています。どなたか一緒にやってくれる人はいませんか?」。これは許婷さんが2025年1月にソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」に投稿したメッセージだ。
SNSに投稿して、仲間を数人集めれば、アプリの開発が可能なのか。昔なら夢物語だった。従来のインターネット企業では、アプリ開発チームにはプロジェクトマネージャー、UI(ユーザーインターフェース)デザイナー、開発エンジニア、テストエンジニアなど8~9の作業チームに分かれた数十人の人員が必要だった。しかし、AIの力を借りれば、投稿で集まった3~4人の仲間だけで、思い描いていたアプリを「手搓」で作り上げることができる。現在、許さんの回想録作成アプリはオープンベータテストの段階に入っている。
「手搓」とは、人工知能(AI)技術を活用して、専用デバイスや生産ラインを使うことなく、自らの手を動かしたり、簡単なツールを使ったりするだけで、クリエイティビティあふれる作品を制作したり、タスクを完了させたりすることを指す。
許さんの例はレアケースではない。ショート動画プラットフォームでは、「手搓で何でも作る」という話題の閲覧数が1億回を超え、アプリストアでは、大企業の「大作」と肩を並べて競い合う個人開発者の「手搓開発」アプリがますます増えている。
こうした「手搓経済」は、個人や小規模なチームがAIやSNSなどのツールを利用し、低コストでアイデアを形にする新興の経済形態だ。低コストが目立った特徴となっている。
取材によると、阿里巴巴(アリババ)のAIオープンソースコミュニティ「魔搭(ModelScope)」の「創空間」チャンネルには約2万3000個のAIアプリがあり、そのうち約95%が個人の開発したものだ。このことは、個人や小規模チームがAIアプリのイノベーションにおける重要な力になりつつあることを意味する。
「手搓経済」にはどれくらい発展の可能性があるのか。清華大学経済管理学院の李寧教授は、「それは手搓経済が切り込んだニーズのギャップがどれくらい大きいかによって決まる。産業の真の問題を探り当てさえすれば、3~5人のチームで1億元(1元は約24.0円)以上、さらには数十億元規模の生産額を生み出すことができる」との見方を示した。
「手搓経済」市場はすでに相当な規模になっている。「2026年中国OPC産業白書」や複数の業界レポートによると、26年4月末時点で全国のOPC(一人会社)は1600万社を超えるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2026年7月1日
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