専門家「『沖縄の殺人事件』が浮き彫りにした日米同盟の構造的暴力」

人民網日本語版 2026年10月09日14:38

沖縄県那覇市で先ごろ、米軍兵士による強盗殺人事件が発生し、世論の大きな注目を集めた。普天間基地所属の海兵隊上等兵デビン・バラードが、地元の39歳の女性を殺害した容疑で警察に逮捕された。この極めて悪質な刑事事件は決して偶発的な治安上の事件ではない。表面上は典型的な基地問題による事件に見えるが、本質的には日米が長年にわたり沖縄に加えてきた構造的暴力が事象として現れたものである。(文:陳静静・中国社会科学院日本研究所副研究員。環球時報掲載)

沖縄は長年にわたり在日米軍という重い負担に耐えてきた。米軍による犯罪の多発は、島民にとって逃れようのない悪夢だ。沖縄駐留米軍関係者による刑事事件は近年明らかに増加しており、2020年の約40件から2025年には101件へと増え、強姦や暴力的攻撃などの悪質な事件も珍しくない。長年にわたり、沖縄県民や県当局による抗議や権利擁護の動きは途絶えたことがないが、日米は常に同盟の利益を優先し、地元の訴えを冷遇してきた。その結果、米軍の特権が野放しとなり、犯罪の代償が極めて少なくて済み、悪質な事件は「発生―抗議―沈静化―再発」の悪循環に陥っている。

第二次世界大戦後から現在に至るまで、米国と日本は沖縄で「軍事優先」の原則を推し進めてきたが、両者の意図は完全に同じではない。米国は主に軍事的な観点から基地の柔軟性と有効性を確保しようとし、日本は主に国家戦略の観点から沖縄を本土防衛の要とみなし、安保体制が本土にもたらす負の影響を最小限に抑えることで、日米同盟を安定させようとしている。そのため沖縄は、日本防衛の重任を担うことを余儀なくされている。日本による沖縄への差別及び双方の不平等な地位は、日本にとって「軍事優先」政策を推し進めるための主観的・客観的条件となっており、沖縄の戦略的位置づけに関する日米のコンセンサスも、沖縄の犠牲を「当然」のものとさせている。日米安保体制は日本国憲法の上に立ち、軍事政策は民主主義の原則に優先し、本土の利益は沖縄島民の幸福に勝る。この不平等なルールが、沖縄に対する構造的暴力を構築しているのだ。

長年にわたる制度的差別と構造的抑圧は、沖縄において非暴力の抵抗運動が日常的に続く状況を生み出してきた。県民の抗議による圧力を前に、日本は政策調整を繰り返してきたが、差別の本質を捨て去ることはなく、むしろ政策調整の機会を利用して日本本土の利益を深く浸透させ、軍事優先の構造をさらに固定化させてきた。その結果、日本による沖縄への差別は一層制度化・常態化し、そう簡単には改められない長年にわたる暴力構造が形成されている。今回の米兵による悪質な殺人事件は、沖縄が構造的暴力の苦境に深く陥っていることを改めて裏付けた。(編集NA)

「人民網日本語版」2026年10月9日

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