中国の研究者、フレキシブル太陽光発電の「大型化困難」という課題を克服

人民網日本語版 2026年10月27日13:28

太陽光パネルは通常、重くて硬い。次世代太陽光発電の研究における注目分野であるフレキシブル・ペロブスカイト薄膜は、軽量で、曲面の物体にも密着させることができるものの、面積を少し大きくするだけで、光電変換効率と寿命が著しく低下するため、この技術は長年、研究室の域を出ることが難しい状況だった。新華社が伝えた。

蘇州大学の李耀文教授の研究チームはこのほど、「デカップリング共堆積」という新たな研究開発戦略を提案した。産学連携によって商用規格の大型フレキシブル太陽光発電デバイスの量産を実現し、光電変換効率を安定して20%以上に維持した。関連成果は北京時間10月23日付の国際学術誌「サイエンス(Science)」にオンライン掲載された。

李氏の研究チームが企業と共同で試作した、商用規格のフレキシブル・ペロブスカイト太陽光発電デバイス。(画像提供:蘇州大学)

李氏の研究チームが企業と共同で試作した、商用規格のフレキシブル・ペロブスカイト太陽光発電デバイス。(画像提供:蘇州大学)

李氏によると、共堆積はフレキシブル・ペロブスカイト太陽光発電薄膜を製造する重要な工程だ。ペロブスカイトが前駆体溶液から析出し、プラスチック基板の表面に付着することで、1枚の完全な薄膜が形成される。しかし、薄膜の面積が大きくなるにつれて、薄膜とプラスチック基板の間にある界面層の厚さが不均一になるという問題が生じる。

論文の連絡著者である許桂英教授は取材に、「今回、研究チームは分子レベルから界面層の形成過程を重点的に調べ、互いに排他的に競合するメカニズムを発見した。前駆体溶液中の界面分子と有機溶媒に対し、プラスチック基板のヒドロキシ基は、どちらか一方を選ぶような反応を示す。一部のヒドロキシ基は有機溶媒と結合するため、『選ばれなかった』界面分子は基板の表面に固定されなくなってしまう」と語る。

これを踏まえ、研究チームは「デカップリング共堆積」という手法を考案した。具体的には、デカップリング剤を加えることで、ヒドロキシ基と有機溶媒を「引き離し」、代わりにヒドロキシ基と界面分子を「結び付ける」ことで、界面層を基板の表面にしっかりと付着させる。

李耀文氏の研究チームが企業と共同で試作した携帯型フレキシブル・ペロブスカイト太陽光発電充電パネルで、携帯電話を充電する様子。(画像提供:蘇州大学)

李耀文氏の研究チームが企業と共同で試作した携帯型フレキシブル・ペロブスカイト太陽光発電充電パネルで、携帯電話を充電する様子。(画像提供:蘇州大学)

李氏によると、この1年間、研究チームは実験室での小型試験用デバイスに基づき、蘇州尚柔新エネルギー有限公司と共同でパイロット生産を進めており、有効面積750平方センチメートルの大型フレキシブル太陽光発電デバイスを量産した。光電変換効率は従来の2倍以上に向上し、20%を超える水準で安定している。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年10月27日

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