26日に閉幕した第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で、中国の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の「天注定」(A TOUCH OF SIN)が脚本賞に輝いた。パルムドールに輝いたのは、6歳の時に家族と共にフランスに移住したチュニジア出身のブデラティフ・クシシュ監督の「アデルの人生」。「新華網」が伝えた。
賈樟柯監督の「天注定」は関連する4つの独立したエピソードからなり、中国農村における格差社会を背景に起こった事件を掘り下げている。罪を犯してでも富や財産を強奪しようとする人物や過激な行動で個人の尊厳を守ろうとする人物など、若者がいかに活路を見出していくかといった社会問題を描いている。賈樟柯監督は、「脚本賞を獲得できたことは、自分の映画製作に対する肯定的な評価だ」と喜びを語っている。
映画「アデルの人生」は、少女アデルが頭髪を青く染めた美しい少女エマに一目ぼれしたことによって起こる悲喜こもごもの出会いや離別を描いている。約3時間に及ぶ映画では、同性愛によって少女が成長していく過程が描かれると同時に、観衆にフランスが抱える現実の問題について考えさせるものとなっている。主人公の少女を演じた主演のアデル・エグザルチョプロスとレア・セドゥが劇中で見せた卓越した演技が高い評価を得た。
グランプリには米国のコーエン兄弟による「Inside Llewyn Davis」が輝いた。1960年代を舞台に、売れないシンガー・ソングライターのルウェイン・デイヴィスが奮闘する日々を描き、米国フォーク・ミュージック全盛期の雰囲気を見事に再現させた。また、審査員賞には日本の是枝裕和監督の「そして父になる」が選ばれた。この映画は、6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子どもだと分かった夫婦の葛藤を描いた物語で、家族の愛や血縁とは何かを問う。監督賞には、メキシコのアマト・エスカランテ監督の「Heli」が選ばれた。
演技部門では、今年76歳の米国ベテラン俳優ブルース・ダーンがアレクサンダー・ペイン監督の「Nebraska」による素晴らしい演技で男優賞に輝き、第84回アカデミー賞でフランス映画として初めて作品賞他5部門を受賞した「アーティスト」(2011)でフランスのセザール賞に輝いたほか、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされたベレニス・べジョがアスガー・ファルハディ監督の「The Past」で女優賞に輝いた。
このほか、カメラ・ドール(新人監督賞)にはシンガポールの陳哲芸(アンソニー・チェン)の監督デビュー作「Ilo Ilo」、短編映画部門のパルム・ドールには韓国のMoon Byounggon監督の「Safe」が選ばれた。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年5月27日
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