台湾の庶民の味「牛肉麺」 (3)

　■人気の牛肉麺店「林東芳」

　台湾では、「牛肉麺を食べたことのない人は、台湾に行ったことがないのと同じ。超人気牛肉麺店・林東芳の牛肉麺を食べたことがない人は、本当の台湾牛肉麺を食べたことがないのと同じ」と言われる。台北市内にある「林東芳」は大衆向けの牛肉麺店であるにもかかわらず、台湾を代表する老舗牛肉麺店となっており、34年の歴史を誇る。その間どんな激しい競争が繰り広げられても、同店の人気が衰えることは決してなかった。そして、どんなに人気となっても、同店の店内には十数人が座れるほどのテーブルしか並べられていない。客の長蛇の列が、ほかの店がある道路にまで伸びることも度々だ。

　大鍋2つで、牛骨牛肉をグツグツと煮込んで作られたにスープに、沸騰した鍋の中で躍る筋肉を見ているだけで、よだれが出てくる。同店では、牛肉麺を食べる前に、豆腐やタケノコの塩漬け、野菜の蒸し料理などの前菜を食べるのがお決まりだ。前菜を食べると、食欲がさらに増し、さらにおいしく食べられる。では、同店のスープがほかの店と違うのはなぜだろう。その答えは牛肉スープや牛脂、トウガラシを混ぜて作った秘伝の牛肉ミソ。このミソを元のスープに少し加えると、忘れ難い牛肉麺となる。同店の牛肉麺は台湾の人気バラエティー番組「康熙来了」でもおススメのラーメンとして取り上げられた。台北を訪問した際には、必ず立ち寄りたいお店だ。