理髪師の王維美さん(72)は数十年にわたり、伝統的な「火箸による髪巻」の方法を守り続けている。「火箸による髪巻」はかつては中国で非常に一般的だったが、1980年代から徐々に廃れ始め、現在ではこの方法で頭髪をセットしたがる人はほとんどおらず、この伝統的技法を受け継ぐ人もほとんどいない。華西都市報が伝えた。
四川省三台県金石鎮に住む王さんは、17歳の時に兄の王維布さんと一緒に理髪の技法を学び始めた。1980年代に兄と鎮でそれぞれ理髪店を開き、商売は非常に繁盛した。兄の王維布さんが一昨年に亡くなると、同鎮で営業を続けるのは王維美さんの理髪店だけになった。
王さんが「火箸による髪巻」で頭髪をセットするようになって数十年になるが、お客の耳や頭皮などを火傷させたことは一度もない。彼の理髪店は全く目立たず店名さえないが、リピーター客や評判を聞いて訪れる客が後を絶えない。「お客は私の腕を信じてくれている」。
王さんによると、「火箸による髪巻」の秘訣は火箸の温度をコントロールし、両手をうまく使うことだ。温度が高すぎ動作が遅すぎると、頭髪が焼き切れてしまうし、温度が低すぎるときちんとセットされないという。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年3月13日