歴史に関するでたらめな理論がお得意の安倍晋三首相から、またとんでもない言葉が飛びだした。4月末の訪米を控えた安倍首相はこのほど、米メディアの取材を受けた際、なんと慰安婦を「人身売買の犠牲者」と表現したのだ。これまで歴史問題でトラブルを起こし続けてきた安倍首相だが、今回の発言の裏は一体どんな考えがあるのだろう?新華網が伝えた。
周知の通り、慰安婦とは第2次世界大戦中、日本軍によって性的奉仕を強要され、性の奴隷にさせられた女性を指す。日本軍は占領地域に大量の慰安所を設置、朝鮮・中国・東南アジアなどから強制的に女性を連行し、従軍慰安婦として働かせていた。日本の民間調査団体の推算によると、第2次大戦中の慰安婦の人数は70万人に上る。国際連合人権委員会の1990年代の報告書も「日本が従軍慰安婦を強制的に徴用した」事実を認めており、日本政府に対して被害者に謝罪と賠償を行い責任を果たすよう要求している。
このように、慰安婦問題は国連が厳正なる立場を示し、国際社会も公認している事実だ。ところが安倍首相は取材の中で、「心が痛む」としながらも、慰安婦強制連行という劣悪な行為を「人身売買」と表現した。しかも、日本は加害者であるとは一言も言わず、謝罪も口に出さなかった。韓国の世論はこれについて、「安倍首相の発言は歴史問題を故意に回避し、慰安婦問題の本質と日本政府の責任を覆い隠そうとするものだ。河野談話と比べると大きな隔たりがある」と指摘している。
安倍首相および日本の右翼勢力はこれまでも、慰安婦を含む歴史問題に関して「曖昧さ」を貫き、日本が行った侵略の罪に対する戦後の国際社会の位置づけを壊そうとしてきた。安倍首相は第1次安倍内閣発足の前から、慰安婦問題を認め、謝罪を表明した「河野談話」に異議を唱えていた。第2次安倍内閣発足後、河野談話の作成過程に関する検証をはじめ、日本国内で河野談話見直しの流れが巻き起こっている。安倍政権は国連の慰安婦問題の調査報告書の作成者に、日本政府が果たすべき責任、被害者への謝罪と賠償に関する記述を撤回するように求めたほか、出版社が高校教科書から「従軍慰安婦」と「強制連行」の言葉を削除することを許可した。こうした歴史に逆行する行動の裏で、安倍政権および右翼勢力は右翼的歴史観と「強大な日本を取り戻す」という野心を拡大し続け、歴史を正視することを拒んでいる。彼らにとって、消し去りがたい歴史の汚点は、強大な日本を取り戻すのを阻む「障害物」なのだ。