4月23日は23回目となる「世界読書デー」だ。最近、読書が人気となっているのを背景に、多くの都市には個性的な図書館や書店が次々とオープンした。あなたは毎年本を何冊を読んでいる?毎日読書に使う時間はどれぐらいある?
中国新聞出版研究院が4月18日に北京で発表した第15回全国国民読書調査報告によると、2017年、中国の成人の読書量(紙の書籍)は平均4.66冊で、16年の4.65冊をやや上回った。調査によると、成人の約4割が、「自分の読書量は比較的少ない」と感じていた。「自分の読書量が多い」と感じていた成人はわずか1.7%だった。39.5%が「自分の読書量はとても少ない、もしくは比較的少ない」と答えた。>>
同報告によると、スマホやインターネットは現在、中国の成人がメディアに接触するための主体となっている。中国の成人のスマホの使用時間は1日平均80.43分で、16年の74.40分より6.03分増えた。インターネットの使用時間は1日平均60.70分で、16年の57.22分より3.48分増えた。微信(WeChat)を利用した読書時間は1日平均27.02分だった。
ネット通販大手・当当網と、インターネット調査会社・易観ビッグデータが共同で「2018中国図書読書市場の分析報告」を発表した。それによると、紙の書籍の読者のうち、女性が69%を占め、電子書籍の読者を見ても、女性が86.7%を占めている。書籍のジャンルを見ると、70後は政治、社会、哲学、80後は児童文学、児童書などの書籍を好んで購入しているのに対して、90後は、大学院試験、公務員試験などの試験関連の書籍や外国書籍、心理系書籍を好んで購入している。>>
インターネットの普及と生活ペースがどんどん加速していくという背景の下で、モバイル読書はトレンドとなっているが、紙の書籍を好む読者にとって、ページをめくることで得られる「満足感」とその中に含まれた「スローライフ」の理念は、慌しい気持ちを拭い去ることができるのだ。そんな中、「小規模だが内容は豊富」を売りとする「シェア書店」など、様々な新しいスタイルの書店が造られ、人々の読書に対する情熱を盛り上げている。
●まるで知識の海!話題の天津市浜海新区図書館
天津市の浜海新区文化センターに総面積3万3700平方メートルの図書館が建設され、「浜海アイ」と「知識の海」の意味合いを込めたデザインが施されている。同館は地上6階建てになっており、高さは約29.6メートル、蔵書数は120万冊以上。>>
●公衆電話ボックスが読書スペースに
上海市徐匯区の市内6ヶ所の公衆電話ボックスではボックスをグレードアップした「シェア読書スペース」が登場した。これらの公衆電話スペースは本来の「電話をかける」機能に加え、公共読書スペースという「新たな要素」が盛り込まれている。>>
●ゆったりとしたひとときを
海南省万寧市石梅湾では、海に面して、周りを木々に囲まれた書店「鳳凰九里書店」に読書を楽しもうと多くの観光客が訪れていた。>>
●砂浜で読書 「ビーチの図書館」が登場
「書の名城」のイメージを根付かせるため、河北省秦皇島市委員会宣伝部はこのほど、海港区金夢海湾海水浴場、北戴河区鴿子窩、老虎石、平水橋など、多くの観光客が訪れるビーチに無料で読書や休憩ができる「ビーチの図書館」を6ヶ所設置し、都市の新しい景観の1つにした。>>
●セルフ図書館「幸福書屋」
同図書館の総面積は80平方メートルで、蔵書は計3000冊。スマート図書管理システムを導入して、図書管理のセルフ化を実現。スタッフはおらず、24時間、カードを発行したり、図書を借りたりすることができる。図書約3000冊のほか、フリーWIFIも設置され、図書をダウンロードしたり、ネット検索したりすることもできる。>>
●電話ボックスほどの「セルフ図書館」
北京のショッピングモール・東方新天地の地下一階のあまり目立たない場所にはセルフ図書館「一書」がある。図書館といっても、高さ2.4メートル、横幅1メートル、縦幅0.6メートル、敷地面積0.6平方メートルと、電話ボックスほどの大きさだ。3段式になっており、1段ごとに3-4冊、計10冊の本が並べられている。真ん中には返却口があり、下のスクリーンには本に関する情報が流れている。
「電子書籍が便利で迅速なのに、紙の本をわざわざ読む意味があるのか」という疑問に対し、中国新聞出版研究院国民読書研究促進センターの徐昇国主任は、「電子書籍は表面的な読書、断片化な読書を主に得意としており、内容も比較的エンタメよりで、文章が短いという特徴がある。これは電子書籍の媒体手段であるスマートフォンと深く関わりを持っている。スクリーンが小さく、深い思考や長編の読書に適していないからだ。それに比べ、紙書籍は体系的な読書が可能であり、これを代替する電子媒体は今のところ、まだ存在していない」と話した。>>
陝西省社会科学院の専門家・王暁勇氏は、中国経済の急速な発展に伴い、人々の生活水準と品格が上昇した結果、これまでの読書形式では満足できなくなってきたと分析している。また、様々な新しいスタイルの書店の出現により、人々は普段の慌しい生活から一時的に抜け出すことができ、文字の魅力を味わうことを通して、心の安らぎを求めることができるという。本を読むのが大好きな汪さんは、人生は読書と同様、スピードを求めすぎるとささやかな喜びを見失ってしまうとしている。「本のページをゆっくりめくる音、紙やインクの香りがあることで、読書を生き生きと楽しむことができる」と話す。(編集SC)
「人民網日本語版」2018年4月23日
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