北京のショッピングモール・東方新天地の地下一階のあまり目立たない場所には無人図書館「一書」があり、セルフポップコーン、ココナッツジューサー、フルーツジューサーがその近くに並んでいる。そこからは温かみを感じさせる明かりが灯るこの無人図書館の落ち着いた静かな雰囲気は、夜に読書を静かに楽しむ情景を連想させる。北京日報が報じた。
図書館といっても、高さ2.4メートル、横幅1メートル、縦幅0.6メートル、敷地面積0.6平方メートルと、電話ボックスほどの大きさだ。3段式になっており、1段ごとに3-4冊、計10冊の本が並べられている。真ん中には返却口があり、下のスクリーンには本に関する情報が流れている。
借りるのに必要な時間は10秒
微信(WeChat)アプリを使ってQRコードをスキャンし、携帯番号と確認コードを入力すると、本を借りるためのページが表示される。そこには、「浮生六記」、「時光会把最好的留在最後」、「雅舎小品」、「中国伝統動画美絵本」など、実際に陳列されている本よりも2冊多い12冊が表示されていた。各本をクリックすると、詳しい紹介やその本を推薦している有名人のメッセージを見ることができる点は注目に値する。
筆者は、最新版の「浮生六記」を借りることにした。定価は45元(約765円)で、デポジットとして30.6元(約520円)を払わなければならない。価格は京東やアマゾン、当当網などとほぼ同じだ。支払いを済ませると、「ポン」という音とともに、右側にある18個の受け取り口の1つが開き、本を受け取ることができた。その全ての過程にかかった時間はわずか10秒だ。本には返却の際に識別するためのRFIDタグが付いていた。
微信には、「貸出期間は21日で、貸出は無料」と表示されていた。また、どの「一書」のボックスに返却してもいいという。本を返却すると、デポジットも返ってくる。1日に借りることができる本は一人につき3冊まで、1ヶ月に10冊までだ。期限内に返却しなかった場合、その本を「購入した」とみなされる。
「一書」は現在、東方新天地、勁松第四小学校、中関村ビル、豊科万達、陽光100、珠江帝景、超級蜂巣など、約10ヶ所に設置されており、7-14日ごとに並べられる図書が一新される。普通の図書館と異なり、それらの図書はいずれも発売されたばかりの人気作品だ。
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