中国第35回南極科学観測隊はこのほど南極の中山基地にて、フルオレセインナトリウムドプラーレーザーレーダー観測システムの設置と調整を完了した。南極中間圏界面の大気中の気温と三次元風場を初めて同時に観測した。極域中高層大気観測の空白を補った。新華社が伝えた。
レーザーレーダープロジェクト責任者、中国極地研究センター研究員の黄文涛氏によると、レーザーレーダーは天気がよく大きな雲に遮られていなければ、昼夜を分かたず24時間連続で観測できる。
極域は地球空間環境と空間気象現象などの関係モニタリングにおける重要な場だ。中山基地は極域高空大気物理現象を研究する理想的な場だ。同基地は独特な極域緯度に位置する、太陽風が地球空間に浸透するための重要な通路だ。太陽風エネルギーが地球空間環境に注ぎ込まれることの影響、電離層の反応などの観測・研究に対して重要な意義を持つ。
レーザーレーダーシステムの中山基地における設置と業務化観測の成功は、中国の極域大気観測分野が世界先進のコア技術を確立したことを象徴する。極域中高層大気の太陽風粒子の注入に対する反応、世界大気還流相互作用などの科学問題の研究に貴重な観測データをもたらす。
同プロジェクトは科学技術部(省)国家重点研究開発計画に支持され、中国極地研究センター、中国科学院武漢物理学と数学研究所、中国科学院大気物理研究所、山東省科学院海洋儀器儀表研究所と武漢大学で構成された科学研究チームが実施を担当している。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月21日
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