気温が日増しに暖かくなり、中国各地が次々と開花期に入っている。昔の人が閑な折に花を愛でていた行為が、今や軽視できない「お花見経済」となって現れている。江西省■(矛へんに夂の下に女)源県の菜の花や西蔵(チベット)自治区林芝市の桃の花から、日本の桜、オランダのチューリップまで、花見の目的地も花の種類もますます多様化し、花見ツアーをじっくり楽しみたいというニーズが拡大している。
▽花見ツアーがトレンドに
春になって花が咲くと、たくさんのオンライン旅行プラットフォームや旅行会社がお花見ツアーを売り出している。たとえば中青旅の場合、花見ツアーには主に中国国内タイプ、日本タイプ、欧米タイプ、島嶼タイプの4種類があり、価格も1千元(1元は約16.7円)から3万元ほどとさまざまだ。阿里巴巴(アリババ)傘下の飛猪のサイトでは、「花見」で検索すると数百件がヒットし、団体ツアー、日帰り観光、自由旅行などいろいろな商品がある。
旅行会社の関係者は、「国内旅行が経済的にお得だ。ネットで人気の菜の花を見るなら江西省の■源県や陝西省の漢中市、雲南省の羅平県などがいい。新疆維吾爾(ウイグル)自治区新疆の托克遜県の杏の花、(浙江省)杭州市富陽区の桃の花、(広東省)広州市渓頭村の桜もそれぞれ特色があり、高齢者や子どものいる家族にぴったりだ。店に問い合わせにくる若いカップルや若いファミリーは海外旅行を好む傾向がある」と話す。
花見の目的地をみると、一番人気があるのは日本で桜を見るツアーだ。7日間前後のゆったりした日程で価格は8千元ほどになる。日本での花見に比べ、欧米への花見ツアーはより高額で、団体ツアーで大体1万元から3万元。オランダのチューリップ畑、カナダ・バンクーバーの桜祭りなどは人気の路線だ。
日本政府観光局(JNTO)の発表したデータによると、2017年だけで大陸部の観光客のべ735万人が日本を訪れ、前年比15.4%増加し、一人あたり消費額は約1万3400元に上った。桜のシーズンにあたる3月と4月は、それぞれのべ50万人を超えたという。
▽花見で大人気の民泊施設
花見ツアーが発展すると、「お花見経済」が現地のホテル、レストラン、土産物などの産業を発展させ、花見の名所の民泊施設も大いに発展したものの1つだ。業界によると、民泊施設は花見ツアーに欠かせないインフラであることはもちろん、優れた民泊商品は花見体験をより充実させ、観光客が農村エリアの暮らしをじっくり体験するのをサポートする存在になる。
オンライン旅行プラットフォームの話によると、初春の花見のシーズンになると、■源、武漢(湖北省)、南京(江蘇省)、宏村(安徽省)などの人気の花見名所の民泊や問い合わせも予約も目に見えて増加し、中でも家族旅行や近郊旅行のニーズが問い合わせで大きな割合を占めるという。■源の場合、18年に花見をし、民泊施設を体験した観光客はのべ100万人に達し、1人あたり平均滞在時間は2.5日、観光収入は13億元、間接的に2万人の雇用をもたらした。
花見ブームに便乗する民間航空路線も出てきた。中国南方航空がこのほど打ち出した超特価路線は3月と4月の花見路線で、武漢から昆明、梅州(広東省)から杭州の片道が会員価格でわずか220元だ。中国東方航空の「チケット1枚で世界15ヶ所のおすすめ桜スポットへ」と銘打った路線も、上海-韓国・ソウル間の往復価格が最安値でたったの680元と非常にお得だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年3月7日