就職情報サイト・BOSS直聘が6日に発表した「2019年中国の職場における性差報告」によると、2018年の女性の平均賃金は6497元(1元は約16.6円)で、男性の平均の78.3%にとどまった一方、男性は前年比8.7%上昇し、高所得帯で男女の分化が進むなどして、全体として男女間の賃金格差が拡大した。格差に影響する要素の上位3位はポジション、産業、勤続年数で、教育は格差是正にプラスの効果を上げつつあるという。中国新聞網が伝えた。
同報告は、男女の賃金が分化した最大の要因は職業選択にあるという。男女それぞれの職業選択にみられる特徴として、男性は技術や販売など労働強度が高く、賃金の高い職業を選ぶことが多く、女性は事務、運営、市場など労働強度がそれほど高くなく、賃金がほどほどのバランスの取れた職業を選ぶことが多い。ここ2年ほどは、ますます多くの女性がハイレベル技術、製品、管理などのポジションに就くようになったものの、高賃金ポジションのほとんどで、男女比が明らかにバランスを欠いた状態が続いている。
18年は高賃金ポジションの上位15種類のうち、14位の戦略コンサルティングと15位の証券アナリストを除き、女性の占める割合は全般的に30%を下回った。現在、技術分野で最も人気の高い機械学習、ディープラーニング、画像認識、システムアーキテクトなどの人工知能(AI)やビッグデータに関わるポジションでは、女性の割合が20%に届かず、1けた台にとどまるものもある。女性の高賃金の技術職への参入率の低さが男女間の賃金格差をますます広げている。ここ数年、各分野でビジネスモデルのメリットが縮小し、産業大手が技術駆動型に移行する中、高い技術を求められるポジションは賃金が上昇を続け、関連分野において元々高賃金だった男性の賃金面での優位性をさらに強化している。
BOSS直聘研究院がまとめたデータをみると、就職したばかりの新人は賃金の男女格差が最も小さく、勤続年数3年ほどで約10%の格差が生じる。勤続年数が長くなると、格差も徐々に大きくなる。5年を超えると、女性は結婚や出産、家庭などさまざまな要因に直面して、仕事で昇進することが突然難しくなり、勤続年数に対する賃金のリターン率が男性を明らかに下回るようになり、こうした分化傾向は年齢が上がるにつれて一層加速するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年3月7日