英国「ネイチャー」の関連誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」はこのほど、中国西北工業大学と中国科学院の共同研究結果を掲載し、超深海の食物連鎖の頂点に立つ「ハナミノカサゴ」の「秘密」を明らかにした。
西北工業大学と中国科学院は共同で、マリアナ海溝の水深7000メートル以上の深海の生息するハナミノカサゴの一歩踏み込んだ研究を展開。分類学的地位を整理し、ハナミノカサゴが超深海に適応し、その過程で起きた形態的変化を初めて突き止めた。また、マルチオーミクス・ビッグデータ解析を基礎にして、超深海に適応した遺伝的基礎を分析し、脊椎動物が深海の過酷な環境に適応したメカニズムを発見した。この研究結果は、中国の深海をめぐるプロジェクトや科学研究が重要な進展を見せていることを示している。
水深6000メートル以上の深海は「超深海帯」と呼ばれ、光はなく、低酸素で、陸上に比べて水圧は1000倍以上。化学的環境も非常に独特で、普通の生き物は生きることができない。しかし、そんな過酷な環境でも、たくさんの生物が生息している。その代表的な存在がハナミノカサゴで、超深海の食物連鎖の頂点に立ち、水圧700 kgf/cm2にも耐えることができる。
同研究は、2016年末と17年初めに中国の科学観測船「探索一号」が深海無人探査機「天涯」や「海角」を使って得たハナミノカサゴのデータを基に進められた。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月19日