「対中文明衝突論」はもう止めるべき

人民網日本語版 2019年05月21日14:04

最近、スキナーという名の米国人が驚くべき事を言い、人種主義色の濃い「対中文明衝突論」をぶち上げた。スキナーは米国務省政策立案局長であるのに、米国の対中関係にセンセーショナルな「文明の衝突」のレッテルを貼ろうとしている。米国人を含む多くの識者は、これを典型的な人種主義ロジックだと考えている。(人民日報「鐘声」国際論評)

実は、こうした奇怪な論調を持つ者は自らの根深い人種主義観を隠しごまかそうとしているわけではない。「これは全く異なる文明及び異なるイデオロギーとの闘争だ。これまで米国が経験したことのないものだ」「現在の中国の制度は欧米の哲学と歴史の産物ではない」「われわれは初めて非白人大国の競争相手を前にしている」云々。

国と国との関係を人種レベルに帰するこうした発言は、たとえ米国でも強く問題視されている。米紙ワシントン・ポストは「この見解は検証に耐えないうえ、実証の支えを欠く」と指摘。主要な文明に基づき国を分類しており、多様性と偶然性を見落としているとした。米ブルームバーグは米国の外交政策において「文明の衝突論」に居場所はないし、こうした衝突モデルは米国が競争に勝つうえで役に立たないと指摘した。米フォーリン・ポリシーは「新たな米国の国家統治術における人種主義と危険な一面が現われた」と鋭く指摘した。

中華文明の一大特質は「和」だ。600年余り前、鄭和は当時世界最大の艦隊を率いて7回大航海を行った。絹織物、茶葉、磁器を運んだのであり、「文明の衝突」などではなくだ。古代シルクロードの交流を通じて、古代ギリシア文明、古代ローマ文明、古代インド文明が相次ぎ中国に入ってきて、中華文明と融合し共生した。中国人の「和」の文化観念は、宇宙観に体現されると「天人合一」を重んじる。対外交流に体現されると「協和万邦」を重んじる。社会生活に体現されると「心を合わせて協力する」を重んじる。人間関係に体現されると「和を以て貴しとなす」を重んじる。このような特質が、包摂的な中華文明の度量を決定づけている。この「和」という文化特質は古今を貫き、深い影響を与え、中華民族の文化的気質となっている。まさに習近平主席が指摘したように「平和を愛する思想は中華民族の精神世界に深々と象嵌され、今日もなお中国が国際関係を扱う上での基本理念」なのだ。

スキナーたち人種主義言論の危険性は、「文明の衝突」が人種の違いに基づくと言う以上、解決方法は彼らが好まぬ人種を絶滅させるしかないことにある。1つの人種が存在すれば、1つの民族が存在すれば、1つの文明が存在するからだ。まさか米国人は彼らの好まぬ人種、民族、およびそうした人種や民族の歴史に基づき生まれた文明を絶滅させようと言うのか?全世界の善良な人々は高度に警戒せねばならない。歴史の潮流に逆行するこうした人種主義言論をはびこらせては断じてならない。

世界は多様で、人類文明は多彩だ。違いがなければ世界もない。中米両国には各々特色があり、歴史、文化、社会制度、民衆の訴えなど全てが同じというわけではなく、いくつか溝があるのは避けがたいことだ。溝があるのは恐れることではなく、相互尊重を堅持し、平等な協議に尽力し、双方共に受け入れ可能な解決策を探ることが肝要だ。

様々な文明は交流し、参考にし合い、長所を取り入れて短所を補うべきだ。国に国との間の問題を文明レベルにまで引き上げ、文明の違いを人種の範疇にまで引き下げるのは、何の役にも立たず、百害あって一利なしだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年5月21日

  

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