米国は壁にぶつかるまで誤った道を引き返さないのか

人民網日本語版 2019年05月30日16:20

「貿易摩擦によって世界は責任感ある中国と独断専行の米国を目の当たりにした」。エジプト紙アル・アハラムの古参記者によるこの指摘は意味深い。(人民日報「鐘声」国際論評)

近年、米国の一部政治屋は「米国第一」に両目を遮られ、保護貿易主義と一国主義を大々的に実行し、関税圧力をほしいままにかけ、中米両国民及び全世界の人々の強い反対を全く顧みずにいる。彼らは貿易赤字を米国に対する「経済的略奪」と主張し、再三再四各国に貿易紛争を仕掛ける。「他国の科学技術発展は米国を損なう」との謬論を大声で唱え、頻繁に国の力を使って他国の企業を圧迫し、果ては「集団を組んで」封じ込めるよう同盟国を脅迫することも辞さない。国際貿易ルールのために「米国が損をしている」と主張し、ほしいままに多角的貿易体制に盾突き、これを破壊する。乱暴で事の是非をわきまえぬ、わがままで勝手なこうした行為は、他国の正当な発展権を圧迫するものであり、国際ルールを踏みにじるものでもある。

今日の世界は経済のグローバル化と世界の多極化が深く進行する世界であり、各国の利益が日増しに融合し、運命を共にする世界でもある。米国の一部政治屋は歴史の潮流を無視し、反対の声を無視するのは、思い通りにルールを制定する「主審」になりたいのであり、ルールを遵守する「選手」にはなりたくないからほかならない。自国のみが勝つことを望み、各国が共に発展することは望まないのだ。そこで、「米国を再び偉大にする」を米国の利益を他国の正当な利益や国際社会の共通利益よりも上に置く「正当な理由」とし、「貿易はゼロサム」を国際ルールと国際体制に対して「都合が良ければ利用し、都合が悪ければ離脱し、破壊する」堂々たる口実としているのだ。このような横暴と理不尽に、まだ何の正義があると言うのか?

このような独断専行は米国内でさえも各界の識者からの強い非難と反対に遭っている。米ブルッキングス研究所のロバート・ケーガン上席フェローは「一部の政治屋は私利のために国際社会を搾り尽くし、70数年来の国際秩序を急速に粉砕し、国際的混乱を防止するために築かれてきた信頼と共通の使命感を破壊している」と批判した。少し前にアディダス、ナイキ、プーマ及び米国の靴関連メーカー・小売企業170社余りが米政府宛の共同書簡で、中国の靴関連製品に対する追加関税は米国の消費者、靴製造企業、経済に壊滅的結末をもたらすと指摘した。だが、米国のこうした政治屋は「貿易は有用だが、関税は効果的でない」という声の高まりを全く顧みず、「経済的に困難な時期にある」との自国農家のやむを得ぬ訴えを全く顧みず、依然として自分の過ちを認めず頑固に押し通している。

ひたすらわがままを通して決まりを乱すことで、米国自身の国際的な信望とイメージが傷つき、世界各国の大きな協力環境も妨害され、破壊されている。トゥスクEU大統領は「貿易は必要だが、戦争は不要だ」と米政府に厳しく警告した。米国のこうした政治屋は、華為技術(ファーウェイ)を標的にする米国の禁止令に対して、直ちに欧州各国のリーダーが「ファーウェイ排除には全く先見の明がない。欧州諸国は米国に倣うつもりはない」と明確に表明したのはなぜなのか、考えてみるべきではないのか。正しければ支持者は多く、間違っていれば支持者は少ない。経済のグローバル化という大きな流れを保護主義で押し止めようとする挙動は、人々の支持を得られぬ運命にある。世界の多極化という大勢を一国主義で押し止めようとする行為は、徒労に終わる運命にある。米誌アトランティック・マンスリーは「世界のイノベーションから中国を排除しようとする努力は、最終的に米国を孤立させるだけだ」と指摘した。

耳を傾けることを学ぶのは美徳であり、知恵でもある。われわれは米国のこうした政治屋に対して、米国社会各界の声に耳を傾け、世界各国の批判と警告に耳を傾け、早く目を覚まし、自らの過ちを悟って正しい道に立ち返るよう忠告する。誤った道を最後まで突き進み、壁にぶつかって初めて後悔するようであってはならない。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年5月30日

  

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