「新型コロナウイルスの感染を予防・抑制する闘争には2つの戦線がある。1つは感染予防・抑制の最前線。もう1つは科学研究と物資生産だ。この2つの戦線は互いに連係を取り、肩を並べて戦う必要がある」。習近平総書記は先日北京で新型コロナウイルス関連の科学研究の難関攻略を視察した際、2つの戦線の重要な任務を明確に示した。その要義を理解すれば、人々は絶えず発展の能力を強化し、発展の成果によって感染症と戦う能力を強化するという内在論理をより深く体得できる。
リスクや試練に直面すればするほど、その国の発展の能力と成果を検証できる。新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、中国は感染症対策と経済・社会発展を統合的に計画して推進してきた。苦しい努力を経て、すでに現在では感染症対策の好調維持、生産・生活秩序の回復加速という状況をおおよそ示している。発展という「金の鍵」をしっかりとつかみ、発展の腕前を錬磨し続けて、中国は強大で堅牢な感染症との戦いの防御線を築いている。
人類と疾病との対決において最も力強い武器は科学技術だ。人類が大きな感染症の災禍に打ち勝つには、科学の発展と技術革新が不可欠だ。感染症を予防し、抑制し、阻止する戦いにおいて、「中国防御線」で湧きあがり続ける絶えることのないイノベーションの力は、感染症に打ち勝つための気力と自信を与え続けている。臨床治療と医薬品・ワクチン開発、検査技術・製品、ウイルス病原学と疫学、動物モデル構築など重要方面の研究の難関攻略は、感染予防・抑制を科学技術面から力強く支えている。回復期の血漿・幹細胞・モノクローナル抗体など先進治療法の採用は、重症・重体患者の治療水準を高めている。人工知能(AI)やビッグデータなど新技術を利用した疫学・トレース調査の実施は、ウイルスの発生源と今後の行方を明らかにし、精密度とスクリーニング検査効率を高める助けとなっている。新技術は「感染症との戦い」の中で成長・成熟し、中国の科学技術の大きな力をはっきりと示している。世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問のBruce Aylward氏は現地視察後「科学技術主導が中国の予防・抑制措置の大きな特徴となっている」との結論を得た。
発展の能力はリスクや試練を防ぎ止める「免疫力」でもある。「北斗」衛星測位システムは病院建設、物資輸送、巡回感染防止・管理などの取り組みに活用され、感染予防・抑制の取り組みをより効率的で精密なものにしている。画像診断支援システムがあるために、病状アセスメントにかかる時間は数時間から数秒に短縮され、医療従事者の感染リスクを下げると同時に、作業効率を高めもしている。マスクの生産に不可欠だが非常に不足していたメルトブロー不織布の増産によって、マスクの生産量と生産能力はそれぞれ1日1億枚を突破し、その後も増え続けている。無人配送車、無人清掃車、無人消毒プールが広範に使用されている。感染症を予防し、抑制し、阻止するこの戦いは、中国の発展の成果の検証でもある。中国の能力が高まり続けていることは、「発展はあらゆる問題を解決するマスターキーだ」ということを十分に証明している。
感染症と戦うには同舟相救うことが必要であり、発展もまた同舟相救うことを必要とする。新型コロナウイルスの影響を受けた国はすでに世界100か国・地域を超えており、一定の意味において、公衆衛生上の問題は発展の問題でもある。最近、国際通貨基金(IMF)は支援の必要な低所得国と新興国に総額約500億ドルの融資を行うと発表した。世界銀行は途上国の衛生システム強化を支援し、低所得国に贈与または低利貸付を行い、中所得国に融資を行うと発表した。公衆衛生分野の緊急対応能力の向上が、発展という礎石と切り離せないことには何の疑いもない。
新型コロナウイルスによる肺炎は、世界の発展は希望に満ちているが、試練に直面してもいることを改めて人々に気づかせた。各国は団結し、信念を堅め、手を携えて協力し、発展の力によって世界のリスクを防ぎ止める防御線を堅牢に築き、発展の成果を用いて問題解決能力を高め、発展の成果がさらに多くの国々と人々に真に恩恵をもたらすようにしなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年3月9日