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世界のサプライチェーンを動かす「ダブル11」 中国内需のポテンシャルを反映

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年11月13日11:21

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)がどうなるかは、多くの人から中国経済の活力を示す「体温計」だとみられていた。イベント当日の様子をみると、多くのECプラットフォームは売上高が前年同期をすぐに上回った。

この成果から、中国市場のもつ非常に大きな内需の原動力と、デジタル化がもたらしたイノベーションの恩恵がうかがえる。それだけではない。中国の「ダブル11」は世界のサプライチェーンをも動かした。

ECが再び記録更新

今年は各ECプラットフォームが目を見張る売上を記録した。

天猫(Tmall)の「ダブル11」は開始からわずか30分で、取引額が3723億元(1元は約15.9円)を突破し、11日24時の最終取引額は4982億元で、再び記録を更新した。

今年の天猫「ダブル11」に参加したブランドは25万、業者は500万を数え、セール対象商品は1600万種類に達した。8億人近いユーザーがイベントページにアクセスし、旺盛な消費意欲をみせた。ここで説明しておきたいのは、今年の「ダブル11」には不動産などの新たな品目が加わったが、それは特殊な品目として扱われ、4982億元の取引額には含まれていないことだ。

京東プラットフォームが発表したデータによると、11月1日0時から12日0時までの間に、同プラットフォームの受注金額は2715億元を超え、昨年の2044億元に比べて32%以上増加し、ここ数年で最高の増加率を記録した。蘇寧易購のオンライン受注量は、1日0時から11日1時までの間に前年同期比で72%増加した。

「ダブル11」終了後、関連の中国概念株が軒並み値上がりした。原稿執筆時点で、拼多多は9%、京東は3%、阿里巴巴(アリババ)は1%、それぞれ株価が上昇した。

オンラインとオフラインが結合、ライブコマース……消費新モデルが力を発揮

オンライン取引額が爆発的に増加し、オフラインも非常に好調だった。

今年の「ダブル11」に、銀泰百貨デパートは100回近いオフラインのイベントを打ち出し、顧客に飲食から娯楽まで全面的に楽しめる質の高い消費体験を提供した。ショッピングガイド4740人がデパートのライブコマースに参加し、彼らによるライブコマースと店舗によるライブコマースの配信が合わせて4千回以上行われた。1日から9日までの間に、銀泰のクラウド店舗15店の売上高は前年同期の2.5倍に達した。

「ダブル11」期間中に、淘宝(タオバオ)のライブコマースなどのコンテンツ化したシーンが業者の成長実現の新たなエンジンになった。3億人に迫るユーザーが淘宝のライブコマースを視聴し、ここから発生した流通取引総額(GMV)は前年同期の2倍に達した。各店舗では消費者対応において当たり前のように店舗内で「自前のライブコマース」を行うようになり、これによって発生したGMVの増加率は500%を超えた。淘宝の1日から11日12時までのライブコマースで、取引額が1億元を超えたライブ配信元は28に上った。

新消費が中国内需のポテンシャルを示す

今年の「ダブル11」では、買い換えのための商品が人気を集め、サービス類消費が急速に伸びた。京東プラットフォームでは、海爾(ハイアール)、美的、格力、華為(ファーウェイ)などの主流3C(コンピューター、通信機器、家電)ブランドの取引額がセール開始後「秒速」で1億元を超えた。

天猫プラットフォームでは、輸入商品の取引が急速に伸びた。1日0時-12時に、天猫国際(Tmallグローバル)の輸入商品取引額は同47.3%増加。このうち取引額が1千万元を超えた海外ブランドは180あり、100万元を超えた海外ブランドは816に上った。

蘇寧易購プラットフォームでは、スマート生活家電が消費の新たなトレンドになった。機能が向上した画期的な技術、外観が優れた家電、西洋風キッチン小型家電の売り上げが好調だった。床洗浄機、ブレンダー、カプセル式コーヒーマシン、小型炊飯器、コンパクトミキサーなどが幅広く人気を集めた。

「ダブル11」は観光業界が回復するきっかけにもなった。1日にオープンしたユニバーサル・北京・リゾート飛猪旗艦店では、ユニバーサル北京のチケット購入権がオンラインでの発売開始から9秒で1万枚を売り上げた。航空会社が発売した格安チケット「随心飛」は8万枚が飛ぶように売れた。長江デルタ地域、広東・香港・澳門(マカオ)、北京・天津・河北の3大中心エリアで打ち出されたミドル・ハイクラスの短距離レジャー旅行商品は市場で大きな反響を呼んだ。

例年の「ダブル11」で消費者が海外ビッグブランドの商品を争うように購入していたのとは異なり、今年は日用品工場や農産物の産業エリアが打ち出したオーダーメイドの商品がいつの間にか人気を集め、多くのネットショッピング利用者の関心を呼ぶようになった。天猫の関係責任者は、「こうした、これまでサプライヤーの工場でずっと眠っていたようなさまざなブランドの背後で、産業チェーンの末端が力を発揮している。今年は感染症の影響で、多くのサプライヤーがより多くのルートを模索して表舞台に登場し、国内消費を深く開拓しようとしている」と述べた。

ポストコロナ時代 消費に徐々に新たなトレンド

データをみると、ポストコロナ初の「ダブル11」では、健康関連の消費が空前の活況を呈した。紫外線消毒器の売上は同1000%増加し、健康診断やワクチン接種などの医療サービスは同1500%以上増加し、ビタミンなどのサプリメントも同1600%以上増加し、マスクとアイケア製品の増加率はさらに大幅に100倍以上も増加した。

こうしたデータから容易にうかがえるのは、感染症は人々のライフスタイルに影響を与えただけでなく、消費の選択にも影響を与え、「健康関連の消費」が徐々に新しい消費のトレンドになっている点だ。これについて、中国社会科学院財経戦略研究院流通産業研究室の依紹華室長は、「セルフケア製品の売上高激増は感染症がもたらした一種のストレス反応だ。現在、中国では感染症が基本的に抑制され、マスクや消毒液などの基本的防疫用品の生産・供給能力も向上し続けている。こうした製品のニーズはこれから安定的増加傾向を維持するとみられる。感染症対策が常態化する現在、消費者の自己防衛意識と健康意識が高まり続け、こうした変化は『ダブル11』の商品選択にも直接反映された。栄養をつけ、免疫力を高める栄養補助食品やサプリメントなどが引き続き増加傾向を維持している」と述べた。

中国の「ダブル11」が世界のサプライチェーンを熱くする

中国の「ダブル11」は世界のサプライチェーンをも動かした。

「ダブル11」での注文に応えるため、イスラエルの美顔器工場はこの4ヶ月間、一日の休みもなく、製造ラインは24時間稼働し続けている。日本の美容機器メーカーのヤーマンも欧米からの注文をキャンセルし、商品をすべて中国市場に回した。フランスの化粧品メーカーのランコムは今年、天猫向けの「補給専用ライン」を特設し、製品をフランスから中国へ空輸し、十分な供給を確保した。フランスのスキンケアブランドのフレッシュは世界中の在庫の9割以上を中国に回したが、それでも一番人気のフェイス用クリームは品切れ状態が続き、本社に「緊急支援」を頼むしかない状況だった。

「世界の成長は中国に左右される」というのが多くの海外ブランドの共通認識で、各ブランドは全力で戦いの準備をし、あらゆる輸送手段を駆使して国境を越えて商品を調達し、11月11日当日に備え、消費者に「この日限り」の特別サービスを提供した。

プレセール後に行われた調査では、業者の80%が「今年の『ダブル11』では第一波となったプレセール期間の業績が好調だったため、第二波の『ダブル11』当日の爆発的発展をさらに強く確信している」と答えた。

イノベーションが経済により多くの「確実性」を注入

竜信データ研究院の屈慶超院長は、「『ダブル11』は新たな発展局面の構築を加速させるという背景の中で、中国経済の活力と内需の原動力を観察する『窓』になっている」と指摘した。

屈氏は続けて、「『ダブル11』をはじめとする新消費は、イノベーションの原動力を通じて需給原動力に対して成し遂げたデジタル化変革だと言える。これは中国経済の2つの循環、とりわけ国内の循環にとって必要不可欠な構成要素になり、中国経済のポストコロナの修復作業と質の高い発展に重要な原動力を提供し、より多くの『確実性』を注入することになるだろう」と述べた。

浙江大学の文系学科で長く教鞭をとる史晋川教授は、「今年の前年同期比データが大幅に増加したことから考えると、『ダブル11』は短期的に内需を牽引し、ポテンシャルを顕在化させ、目下の中国経済に対してプラスの推進的役割を果たした」との見方を示した。(編集KS)

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「人民網日本語版」2020年11月12日

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