【国際観察】ウイルス起源問題で騒ぎ立てる米国の真の目的を米シンクタンク報告書が露呈

人民網日本語版 2021年06月11日17:04

米保守系シンクタンク・ハドソン研究所のDavid Asherシニアフェローは先日、新型コロナウイルスの起源解明問題で中国への圧力を強めるよう米国政府に「提言」した。現在、ウイルスの起源解明に関する様々な主張には、何とかして中国に責任があると人々に信じ込ませようとするものがある。これは極めて重要なことだ。米国はこれを容認しない姿勢を示さねばならない。(文:席来旺・中国国際問題研究基金会研究員、河南師範大学世界平和・発展研究院院長。人民網掲載)

同報告書はバイデン政権に対して、「中国が世界保健機関(WHO)のルールに違反した」一連の罪名を速やかに列挙するよう「提言」。また、米議会に対して、超党派の独立調査委員会に新型コロナウイルス起源解明の権限を授けるよう「提言」した。

ハドソン研究所は1961年に設立され、ワシントンD.C.を拠点とする。ペンス前副大統領、ポンペオ前国務長官ら極端な反中政治屋はいずれも在任中にこのシンクタンクで「反中」演説を行ってきた。2017年にハドソン研究所は訪台団を組織。2020年12月には蔡英文がオンライン形式でハドソン研究所で演説を行った。ワシントンのこの保守系非営利シンクタンクが最近有名になったのも、ポンペオ前国務長官がこのシンクタンクに所属したためだ。

ハドソン研究所が米政府の戦略的意図を研究・公表する重要な場であることは間違いない。ハドソン研究所が先日発表した「政策提言」は、米国が新型コロナウイルスの起源解明問題で再び騒ぎ立てる真の目的を側面から改めて裏付けた。つまり、ウイルスの起源解明が目的というのは偽りであり、真の目的はこれを機に中国叩きを強めること、そして中国に反対し、中国を恨む国際世論を醸成することなのだ。策略の手法から見ると、いわゆる「提言」はWHOを投げ捨て、世界の裁判官及び警察官となり、誰はばかることなく制裁の圧力を振りかざすことも辞さない米国のいじめ的思考を改めて露呈した。

周知のように、WHOが先般発表した中国・WHO新型コロナウイルス起源解明合同調査報告書は、新型コロナウイルスが研究所を通じて人に感染した可能性は「極めて低い」と指摘した。しかし、米国など少数の国々や一部のメディア・政治屋はこれに満足せず、いわゆる「研究所流出説」を再び騒ぎ立てている。

これに対して、各国の専門家やメディア、国際組織の関係者は、ウイルスの起源解明は厳粛で複雑な科学的問題であり、「研究所流出説」は科学的根拠が皆無だと指摘する。国際的な疫学者のHume Field氏は、「理由もなく疑問を呈するのは新型コロナウイルスの起源確定に無益であり、欧米と中国の科学者間の協力継続にも無益だ。疑念と不信をかきたて、新型コロナウイルスと闘い、パンデミックに打ち勝つために必要な世界の共同努力を根底から損なうだけだ」とする。

アルジャジーラが5月29日に放送した「米国による新型コロナウイルス起源解明調査は成功し得るのか」で、中国のシンクタンク・全球化智庫(CCG)の高志凱副主任は、「中国はウイルス起源解明の研究を妨害しないが、それ以上に、魂胆のあるいわれなき非難は受け入れない。米国はWHOに協力して関係する調査を受け入れるべきだ」とした。

現在もなお新型コロナウイルスとの世界の闘いは極めて困難な状況にあり、国際協力の強化は任重くして道遠しだ。ウイルス起源解明の政治的利用は、新型コロナとの闘いにおける国際協力の大局を乱し、これを損ない、際限なき災禍を招くだけだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年6月11日

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