菅義偉首相が3日午前の自民党臨時役員会で、近く行われる自民党総裁選への不出馬を表明したとのニュースは大きな関心を呼んだ。日本メディアの報道によると、菅首相はその自民党総裁任期が今月末で終了し、辞任する見通しだ。この決定は、日本政界にどのような影響を与えるだろうか? また、首相交代は日本外交、特に中日関係にどのような影響を与えるだろうか。中国中央テレビが伝えた。
■日本政界は首相が「コロコロ交代する」時代に戻るのか
菅首相の出馬断念は自民党総裁選、そして続く衆議院選挙の変数が増えることを意味し、今後の日本政界の長期的行方に影響を与える可能性もある。2006年に小泉純一郎首相が退陣すると、日本政界は自民党の安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏と「1年1首相」の頻度で首相が交代する時代に入り、2009年に民主党政権が発足した後も、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、野田佳彦氏と、2012年に自民党が政権を奪還して安倍氏が首相に返り咲くまで「1年1首相」が続いた。今回の菅首相の決定によって、首相がコロコロと交代する以前の状態に逆戻りすることを懸念する声が上がっている。
これについて、中国社会科学院日本研究所の呂耀東副所長は、「総裁選の勝利者が首相の座を長期間維持できるかどうかは、何とも言い難い。これは1つには政治的業績が関係するが、もう1つの要素として自民党の派閥制がある。過去には各派閥が自らの首相候補を推し、自らが政権を握ることを望んだ結果、首相がコロコロと交代する事態を招いた。次期首相が新型コロナ対策や経済面で成果を出せれば、長期政権が可能となる。成果を出せなければ、菅首相と同じ道をたどるだろう」と指摘する。
■首相交代が中日関係に与える影響
自民党総裁と首相の交代が日本外交、特に中日関係に与える影響について、呂氏は「静観するのが最も適切かもしれない」との見方を示した。そのうえで、「 長期的には、『政治大国化』や政界全体の『保守化』という政治環境の影響下で、日本外交は『伝統的国家主義』の色彩を日に日に濃くし、近隣諸国と頻繁に意見の食い違いをきたすようになる。中期的には、構造的矛盾や歴史問題に代表される中日間の多くの問題が再び顕在化するだろう。短期的には、米国が中国封じ込めを強化し続けているという外部環境に加えて、日本政界の対中タカ派勢力が力を強め続け、国民の対中好感度が低下し続けているという内部環境もあるため、中日関係の改善は新政権のメインストリームの政策オプションにはなり得ないだろう」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年9月6日