珠海市で開催された第13回中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)において、中国の主要宇宙技術・製品開発拠点である航天科技集団第5研究院は、海外市場向けの小型静止軌道衛星プラットフォームの東方紅3号強化型プラットフォーム(東三Eプラットフォームと略称)を公開した。世界の新興市場及び衛星プロジェクトを自国で行えない国の衛星保有問題を解決するうえで重要な役割を果たす見込みだ。新華社が伝えた。
航天科技集団第5研究院東三Eプラットフォーム全体技術責任者の熊暁将氏は、「小型静止軌道通信衛星は低価格で小・中容量の通信衛星に対する市場の需要を満たしており、小型・低コストキャリアロケットで打ち上げられ、高積載比・高柔軟性を持つ新型全電気推進衛星で、世界の複数の国・地域のユーザーにソリューションを提案し高く注目されている」と説明した。
「当社にはすでに東方紅4号、5号シリーズを始めとする中・大容量通信衛星製品がある。市場では近年、新たな変化が生じている。(1)自国の通信衛星を必要とする中小の国が日増しに増えているものの、これらの国は資金、需要、使用頻度が限定的で、中・大容量衛星は経済的に実現性がない。(2)衛星運営事業者が新事業または事業拡大を試みる際に、小・中容量衛星により市場の不確実なリスクに対処する必要がある。(3)容量の販売、柔軟なネットワーク構築、資源共有といった新たなビジネスモデルが、低価格の小・中容量通信衛星の誕生を促進している」と熊氏。
熊氏は、「従来の東方紅衛星シリーズと比べると、同プラットフォームはスマートで、投資が少なく、性能が優れているという特徴があり、ユーザーにハイコストパフォーマンスのソリューションを提供できる。市場のその他の静止軌道衛星製品と比べると、ユーザーは投資を大幅に節約することができる」と説明した。
熊氏は、「地上の電気自動車のように、同プラットフォームは従来の燃料推進から電気推進への進歩を遂げた。この技術により衛星の積載比率を上げることで、小型の衛星プラットフォームでも大きな通信容量を提供できる」とした。
同プラットフォーム基づく1基目の衛星はすでに鍵となる評価・審査に合格しており、現在製品を開発中で、来年末までに打ち上げられる計画だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年9月30日