米「スターリンク」衛星が中国の宇宙ステーションに2回接近して、宇宙飛行士の生命と健康を脅かしたことについて、外交部(外務省)の趙立堅報道官は28日の定例記者会見で、「米側は国際法に基づく宇宙空間における国際秩序を尊重し、こうした事の再発を防ぐための措置を直ちに講じるべきだ」と表明した。
【記者】国連宇宙空間平和利用委員会の公式サイトでこのほど発表された情報によると、在ウィーン国際機関中国政府代表部は12月3日、米国の宇宙探査技術企業の打ち上げた「スターリンク」衛星が今年2回にわたって中国の宇宙ステーションに接近し、宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の生命と健康を脅かしたことを通報する口上書を国連事務総長に提出した。この報道について、確認をいただけるか。「宇宙条約」の締約国として、米国はこうした活動に対してどのような国際的責任を負うべきか。
【趙報道官】今年7月と10月の計2回、米国の宇宙探査技術企業の打ち上げた「スターリンク」衛星が、中国の宇宙ステーションに接近した。この間、宇宙ステーション内では中国の宇宙飛行士がミッションを遂行していた。安全を考慮して、中国の宇宙ステーションは衝突回避の緊急措置を取った。
1967年の宇宙条約は、現在広く認められている宇宙領域の国際法の基礎だ。同条約は、各国が宇宙飛行士を宇宙空間への人類の使節と見なし、その安全を尊重し、保護すべきあること、そして宇宙飛行士の生命または健康に危険となる恐れのある現象を宇宙空間に発見した時は、条約の他の締約国または国連事務総長に通報すること、また各国が自国の民間企業による宇宙空間におけるあらゆる活動について責任を負うことを定めている。
条約の義務を履行し、宇宙飛行士の生命の安全を守るため、中国政府は12月3日に在ウィーン国際機関中国政府代表部を通じて、国連事務総長にこうした危険な状況及び中国側の取った措置を通報するとともに、各締約国への周知を要請した。米国はいわゆる「宇宙空間における責任ある行動」という概念を常に主張しているにもかかわらず、自らは宇宙条約上の義務を無視し、宇宙飛行士の生命の安全を深刻に脅かしている。これは典型的なダブルスタンダードだ。
宇宙空間の探索と平和利用は全人類の共同事業だ。中国は常に全人類の福利を図る精神に基づき宇宙空間を平和利用している。米側は国際法に基づく宇宙空間における国際秩序を尊重し、直ちにこうした事の再発を防ぐための措置を講じ、責任ある姿勢で軌道上の宇宙飛行士の生命の安全と宇宙施設の安全かつ安定した運用を守るべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月29日