国連安保理は17日、ウクライナ問題に関する公開会合を開き、「ミンスク2」の履行問題を議論した。中国の張軍国連大使は公開会合に出席し、現在のウクライナ情勢に対する中国の立場を明らかにしたうえで、ウクライナ問題の解決においてはミンスク2の履行という原点に立ち返る必要があることを強調した。新華社が伝えた。
張大使は「ミンスク2は各国が広く認めた、拘束力のある、ウクライナ問題解決のための基礎的な政治文書であり、安保理決議第2202号によって承認されており、関係各国が全面的かつ実効性ある履行をすべきものだ。ウクライナ問題の解決においては、やはりミンスク2の履行という原点に立ち返る必要がある。中国は関係各国が建設的姿勢を示し、ミンスク2の履行において生じた意見の相違を対話と協議を通じて解決し、ロードマップとタイムテーブルを定め、ミンスク2のできるだけ早期の確実な実行を推進して、ウクライナ危機の政治的解決に向けた条件を整えることを希望する」と表明。
「現在の情勢の下、関係各国は理性を保ち、政治的解決という大きな方向性を堅持すべきであり、情勢の緊迫をエスカレートさせ、危機を誇張するいかなる事もすべきでない。各国は、互いの安全保障上の合理的懸念への十分な考慮と相互尊重を基礎に、対等な協議を通じて溝を適切に解決すべきだ」とした。
張大使はまた、「中国は緊張緩和に資するあらゆる努力を支持する。最近ロシアとフランス、ドイツなど欧州の国が首脳レベルで外交的接触をしたことに注意を払っている。交渉を通じて均衡ある有効かつ持続可能な欧州の安全保障体制で合意することは、欧州地域の永続的な平和と安定を実現するための強固な基礎固めとなる。中国は、欧州諸国は自らの利益にかなう戦略的かつ主体的な意思決定を行うものと信じる。中国はまた、緊張緩和に向けた国連事務総長の調停努力も支持する」と表明。
「NATO拡大は現在のウクライナ問題をめぐる緊張を処理するうえで避けて通れない問題だ。冷戦終結後、NATOは共通の安全保障の維持という時代の潮流と逆行する形で拡大を繰り返してきた。一国の安全保障が他国の安全保障を犠牲にすることがあってはならず、地域の安全が軍事ブロックの強化、さらには拡大によって保障されるようなことがあってはならない。中国は関係国に対して、歴史の教訓を汲み取り、共通の安全保障観、総合安全保障観、協調的安全保障観、持続可能な安全保障観を堅持し、対話と協議を通じて相互信頼を増進し、紛争を解決し、世界の平和と地域の安定に資することをより多く行うよう促す」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年2月18日