王毅国務委員兼外交部長(外相)は7日午後の国内外向け記者会見で、中国の外交政策や対外関係について27の質問に答えた。王部長の回答は要点を正しくおさえたもので、中国の立場と見解を明確にした。際立って印象的だったのは、率直で実務的な記者会見だったと同時に、中国のイメージの縮図でもあったことだ。悠然として自信に満ち、率直かつ誠実でもあり、平和と発展という全般的基調に基づき、大国のあるべき姿を鮮やかに示した。
王部長の冒頭の発言は、国際情勢と中国の立場をわずかな言葉で精確にまとめたものだった。100分間の会見の中で「協力」という言葉が80回以上使われた。百年間なかった情勢の変動とパンデミックが重なる中、中国が協力を強調することには、特に並々ならぬ意義がある。王部長が語ったように、このような重要な時期において各国に必要なのは、分断ではなく団結、対立ではなく対話なのだ。人類社会は、中国と米国の2つの外交路線の激しい競争に直面している。すなわち「団結か分断か?」、「対話か対立か?」、「多国間主義か一国主義か?」という外交路線の競争である。 中国の選択は疑う余地がないし、その言動も一致している。
ウクライナ危機は、現在最も注視される紛争問題の一つだ。王部長は記者会見で中国の立場を改めて表明し、引き続き対話を通じた和平促進に建設的な役割を果たす意向と、必要な時に国際社会と共に必要な仲裁を行うことへの前向きな姿勢を示すとともに、大規模な人道的危機を防ぐための6つの提案も示した。正義を語り、正義を行う。これが世界の大国としての中国の責任ある姿勢であり、「行く先々で乱を起こす」米国とは鮮明なコントラストを成す。どの国こそが世界平和の建設者であるのかは、一目瞭然だ。
この1年、国際環境は全体的に激動したが、それにより中国外交も鍛えられ、磨かれた。この一年を通じて、中国の外交はより成熟し、堅実なものとなり、特筆に値する成果を挙げた。中国とEUの貿易額は初めて8000億ドル(1ドルは約115.0円)を超え、「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設のパートナーは180ヶ国に達し、中国とASEANとの関係は「中国ーラオス鉄道を疾駆する列車」のように高速で前進し、中露関係は世界で最も重要な二国間関係の1つとなった。これら一つ一つが協力・ウィンウィンの記念碑だ。
記者の質問と王部長の回答の約3分の2が、直接的または間接的に米国と関係していることに気づいただろう。これは中米関係の影響範囲の巨大さを如実に反映している。ウクライナ問題で火に油を注ぎ、対立を激化させているのはどの国か?冷戦思考に回帰し、陣営間の対立を作り出しているのはどの国か?中国・欧州関係の安定的発展を望んでいないのはどの国か? 中国と周辺諸国との関係に水を差しているのはどの国か? 中南米を「裏庭」と見ているのはどの国か? そして、南中国海や台湾海峡で波風を起こしているのはどの国か?王部長は名指しこそしなかったが、答えは言うまでもないし、この事に対する世界の認識も一層深まっていくだろう。
中国は断固として自らの正当な利益を守り、国際的な道義とルールを守ると同時に、米国側に対して「理性的で実務的な対中政策に回帰する」よう再三促してきた。王部長が語ったように、相互に依存するグローバル化の時代において、中国と米国という二つの大国がいかにして正しい付き合い方を見出すかは、人類社会にとって未経験の課題であり、両国が共に解かなければならない課題でもある。この発言が示すのは中国外交の度量であり、高度に責任ある姿勢である。
自国内の危機の埋め合わせのため世界から「採血」する米国と異なり、中国は常に国内の発展が最大限他国・地域に恩恵を及ぼすことを望み、グローバル発展イニシアティブを打ち出しているのであり、中国の行為は全てが世界に「補血」するものだ。先日順調に閉幕した北京冬季五輪と現在開催中の北京冬季パラリンピックは、各国に得難い団結のチャンスをもたらした。また、中国は世界の新型コロナとの闘いのために具体的で重要な支援を行い、世界経済の回復を後押しし、地域の平和と発展を促進し、南南協力を力強く開拓するなど、数多くの着実な貢献をしてきた。
「世界が良くなるためには、大国が模範を示さなければならない」。中国はそのような模範になりつつある。中国の発展が、この世界の確実性を高め、平和のパワーの発展と強大化を促進してきたことは、事実が証明している。中国は常に安定性とプラスのエネルギーを体現している。このことは、時が経てば経つほど明らかになっていくだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年3月8日