3月31日、ベルギー・ブリュッセルで記者会見するNATOのストルテンベルグ事務総長(撮影・鄭煥松) |
NATOのストルテンベルグ事務総長は先ごろ、ウクライナ問題について、中国を根拠なく非難し、恣意的に中傷したうえ、中国がロシアへの非難を拒絶していることが「重大な挑戦」であると発言した。ストルテンベルグ事務総長の誤った発言は、中国が一貫して堅持してきた客観的で公正な立場を歪曲し、危機解決に向けて中国が払ってきた建設的努力を顧みないものであり、善悪を逆さまにすることで、米国とNATOが中国をさらに叩くための世論を醸成しようとする企てだ。中傷とバッシングの入り交じったこの覇権的常套手段によって、NATOを主導する米国が覇権と利益を維持するためには手段を選ばず、悪意ある目的を抱いていることが改めて露呈した。新華社が伝えた。
紛争の発生以来、中国は理非曲直に立脚し、自主独立を堅持し、客観性と公正性を恪守してきた。問題の根本的原因について、中国は歴史的経緯と複雑な現状を総合的に考察して、米国をトップとするNATOの際限なき東への拡大こそが、ロシアとウクライナの対立を噴火口へと一歩一歩追いやってきたのだとはっきり指摘した。原則の問題においては、中国は一貫して、主権・独立・領土的一体性はいかなる時においても尊重されるべきであり、例外を設けるべきではなく、ましてやダブルスタンダードを採用してはならないと明確に主張してきた。複雑な情勢を前に、中国は、各国には自主独立的に対外政策を決定する権利があり、どちらの側につくのかの決定を強いられるべきではないこと、見解が異なるからといって、敵か味方か、黒か白かのように扱うべきではないことを強調してきた。中国の公正な立場は、数多くの発展途上国を中心に国際社会の共鳴を呼んでいる。ウクライナ問題において、中国は冷静さと理性を保ち、積極的に和平交渉を促進しており、その建設的役割は誰の目にも明らかだ。
米国とNATOが、ウクライナ問題において中国に対して善悪を逆転させた非難を繰り返す背後には、悪意ある目的がある。
第1に、中国に責任を転嫁することで、ロシア・ウクライナ情勢において自らの演じた不名誉な役を覆い隠し、誤魔化し、真実を見極めようとする人々の視線を逸らすためだ。実際には、ウクライナ問題を作り出したのは米国であり、現在のロシア・ウクライナ情勢を裏で動かしているのも米国だ。米国は緊張した雰囲気を誇張することで、ウクライナ問題の政治的解決プロセスを著しく妨害している。
第2に、中国のイメージを毀損し、いわゆる「中国の脅威」を誇張することで、中国をさらに叩く余地を作り出すためだ。NATOは今年6月に開催するサミットで、新戦略概念を打ち出す可能性が高い。NATOのこれまでの公的な姿勢表明を見ると、中国を念頭に置くことが新戦略概念の重要な調整方針となる。現在の中国に対するデマと中傷は、NATOの戦略調整を正当化するための事前の世論醸成だ。
第3に、中国に圧力をかけることで対立を作り出し、エスカレートさせ、世界を陣営間の紛争と対立という誤った道へ引き込むことで、米国の漁夫の利と覇権維持に有利にするためだ。
ストルテンベルグ事務総長の誤った発言が米国の覇権的利益を代弁していることを人々は見極めるべきだ。紛争や対立を引き起こし、世界的「新冷戦」を煽動することで利益を得るのは米国の覇権だけであり、米国の同盟国を含む世界各国は被害を被る。今回のウクライナ問題が、まさにこの事を物語っている。紛争発生後、欧州のエネルギー価格は高騰し、中東の食糧価格は上昇し、世界経済の成長は抑えつけられたが、米国はこれを機に欧州への天然ガス輸出を拡大し、ウクライナに大量の武器・装備を提供しているのであり、米国の軍産複合体に至っては新たなビジネスチャンスをシャンパンで祝っている。危機を煽り、作り出し、世界中で利益を吸い上げる米国の戦略的意図を、世界は強く警戒すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月11日