欧州政策センター(EPC)、英王立国際問題研究所(RIIA)、カーネギー・ヨーロッパなどのシンクタンクが先日、ウクライナ危機を再考する文章を発表したことについて、外交部(外務省)の汪文斌報道官は29日、「中国は常に、対話と交渉こそがウクライナ危機解決の最も現実的で実行可能な手段であると主張している。中国は国際社会と共に、引き続き事態の緩和、危機の解決、平和の再建のために努力していきたい」と表明した。
汪報道官は、「ウクライナ危機の影響が日増しに外部へと波及・拡大するに従い、欧州の戦略コミュニティでは理性的思考の声が上がっている。例えば、制裁は戦争を終わらせ、欧州の安全保障秩序を構築する道ではないとの指摘がある。戦争を和解によって終わらせるためには、外交的手段を取ることこそが正しい道だ。EUにとって、ロシアという常に隣り合わせにある隣国の関係の管理は、目下対処しなければならない最も重要な課題だ。欧州の安全保障のルールは欧州人主導で定めるべきであり、ロシアを排除することは不可能だ。EUの指導者は、ロシアの懸念と訴えにしっかり耳を傾け、真剣に対処すべきだ。ウクライナ問題を解決するためには、全ての関係国の安全保障上の利益に関心を払わなければならないとの指摘もある。目下の危機を解決するためには、ロシアとウクライナの双方が共に現実に基づき、安全保障上の合理的懸念を重視するべきだ」と指摘。
そして、「中国は常に、対話と交渉こそが危機解決の最も現実的で実行可能な手段であり、共通の、総合的、協調的、持続可能な安全保障を追求して初めて、欧州と世界の長期的な平和・安全の実現が可能になると主張している。戦争を拡大し続け、際限なく制裁をエスカレートさせることは、問題をさらに複雑化させ、世界にさらに大きな代償を払わせることになるだけだ」とした。
また「現在の情勢の下、各方面はロシアとウクライナが交渉を続け、交渉によって結果を出し、和平を導き出すことを積極的に促し、支持するべきだ。黒か白かの感情的やり方を捨て去り、ウクライナ危機の深いレベルの根本的原因を理性的に見極める必要がある。共倒れになる極端なやり方を避け、ウクライナ危機の政治的解決に有利な条件を整える必要がある。火に油を注ぐ漁夫の利的なやり方を防ぎ、国際社会の共通利益が特定の国だけの利益に打ち勝つようにする必要がある」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年3月30日