【国際観察】戦争による利益獲得が米国の真の目的

人民網日本語版 2022年04月22日15:02

冷戦終結からすでに30年以上になるが、NATOは東への拡大の歩みを止めることなく、ついにロシア・ウクライナ紛争を引き起こした。NATOの東への拡大を後押ししている米国はロシア・ウクライナ紛争で大儲けをし、戦争による利益を獲得しただけでなく、混乱に乗じて覇権を獲得しようとしている。

ロシア・ウクライナ紛争の勃発以降、様々な企業の株価が続々と下落する中、米国の大手軍需企業の株価は高騰。この1ヶ月でロッキード・マーティンは約13%、レイセオンは約10%上昇した。レイセオンのグレゴリー・ヘイズCEOは、世界各地の情勢の緊張から同社が「利益を得る」ことになると直言する。

米国が戦争で儲けるのは今に始まったことではなく、戦争を通じて世界各地から漁夫の利を得た事例は枚挙にいとまがない。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が3月14日に発表した、世界の武器売却動向に関する報告書は、2017年から2021年にかけて、世界の武器取引量が過去5年間と比べていくらか減少する一方で、同時期に米国の海外への武器売却が大幅に増加したことをはっきりと示している。世界最大の武器輸出国である米国の軍需企業と一部政治屋にとって、紛争や戦争が金儲けの「温床」であることは間違いない。

武器ビジネス以外にも、米国が戦争で儲ける手段は多くある。エネルギー市場の奪取と支配は、米国が世界中で対立を仕掛け、戦争を発動する重要な目的であり続けている。戦争の火に油を注ぐことで、米国はその利己主義と偽善性を露呈したのである。この紛争において、米国こそが漁夫の利を得る国であり、しかもその唯一の国かもしれない。

米国はこれを機に大儲けするだけでなく、徒党を組んで形成した「小集団」を固め、さらには仮想「競争相手」の発展を抑え込み、さらなる分断と対立を作り出し、世界的な覇権を固めることを企てている。これと同時に、米国社会では政治的分断、人種対立、暴力犯罪などの積弊が解消困難で、新型コロナが猛威を振るい、インフレが高止まりしている。米国から遠く離れた欧州の紛争は、国内政治のために利用し、国内対立の責任を転嫁するのにうってつけなのだ。

世界は米国の利益の代償を払わされている。米国主導の西側諸国によるロシアへの包括的で無差別な制裁は、事態をさらに複雑にし、緊張を高めるだけでなく、ただでさえ厳しい世界経済に追い打ちをかける。コモディティ価格の上昇が、ユーロ圏を含む世界の多くの国や地域のインフレ率を押し上げ、人々の生活にマイナスの影響を大きくもたらしている。欧州中央銀行のラガルド総裁は、欧州は困難な段階に入りつつあり、短期的にインフレ率のさらなる上昇と経済成長のさらなる鈍化に直面し、これらの影響がどれほど大きくなり、どれほど長く続くかについては、かなり大きな不確実性があると指摘する。

米国は長い間、対立を煽り、紛争を仕掛けることで利益を獲得し、世界の平和と安定に重大な危害を加えてきた。米国は戦争の脅威を誇張し、地域の対立を激化させ、不穏な状態にある国々、同盟国やパートナー、さらには世界各国から利益を吸い上げている。これは国際社会に拒絶され、反対されるのは必至だ。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年4月22日

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