バイデン大統領が中東歴訪を早々に切り上げた理由

人民網日本語版 2022年07月18日14:15

バイデン米大統領は16日、初の中東訪問を早々に切り上げた。原油の増産を訴え、対立を煽る米側に対して中東各国は冷淡な反応を示し、パレスチナ・イスラエル問題における米側の不公平な立場に対して中東の民衆は強く抗議した。バイデン大統領の中東歴訪は成果を上げられずに終わり、唯我独尊で覇権かつ利己的なその手法が不評を買っていることが改めて実証された。新華社が伝えた。

米側はバイデン大統領の中東歴訪について、米国と中東との関係に「新たな章を開く」ものになると公言していた。だが、美辞麗句を用いても、米側が長期にわたり中東各国を道具と見なし、都合が良ければ用い、悪ければ棄ててきたという事実を覆い隠すことはできない。鳴り物入りで行われたバイデン大統領の中東歴訪だったが、その真の意図は中東の力を借りて米国の政治的利益を図り、米国の覇権を維持することにあることを、国際社会はよく分かっている。米CNNは、もしウクライナ危機による世界の原油市場の動揺がなければ、バイデン大統領が中東に行くことはそもそもなかったかもしれないと報じた。

今回、米側はサウジアラビアなど湾岸産油国に増産を促し、国際原油価格を押し下げて、米国のインフレ圧力を緩和することで、バイデン氏の選挙状況を下支えしようとした。さらに、中東諸国とイランやロシアとの対立を煽り、「中東版NATO」を構築し、地域情勢の緊張を激化させることも企てた。

米側の目論見は緻密だが、一方的な願望に過ぎない。原油増産の問題において、サウジアラビアは米側に追従することなく、増やすことが可能なのは「生産量」ではなく「生産能力」だと表明した。米側がロシアやイランとの対立を煽る中、エジプト、ヨルダン、イラクなど各国の指導者はいずれも明確な返答をしなかった。

米側の主張に応じる中東の国が非常に少ないのは、原油増産が産油国の利益にならないだけでなく、サウジアラビアなどの国々がロシアとの長期的な関係を犠牲にして短期的利益を得ることを望んでいないからだ。米国のやり方は、覇権的思考と対立的論理に満ちており、平和と安定、協力と発展の維持という中東諸国に共通の願いと相反しており、支持を得られないのだ。

サウジアラビアのムハンマド皇太子は先日、現在世界が新型コロナウイルスのパンデミックと地政学的状況の引き起こした重大な試練に直面しており、世界経済の回復、食糧安全保障の実現、人々の健康確保のために、国際社会のさらなる一致協力が必要であるとの見方を公に表明した。米国が中東地域を大国間が争う戦場にし、中東諸国をいわゆる地政学的「グランド・チェスボード」の駒と見なすことが完全な誤算であることは、事実が証明している。

バイデン大統領の中東歴訪は、パレスチナ・イスラエル問題におけるその偏向的立場を改めて露呈し、パレスチナ民衆の抗議を引き起こした。米国は長年にわたり、中東で地域情勢に恣意的に干渉し、繰り返し戦争を発動し、一方的な制裁を度々発動して、多くの民間人を死亡させ、多くの難民を発生させてきた。「動乱の製造者」たる米国の本性を、中東の人々はますます見極めるようになってきている。

中東は多重の試練を抱えている。誠心誠意、中東の国々や民衆の抱える安全・発展上の問題の解決を手助けし、建設的に助力して初めて、真に責任ある行動となり、中東の国々や民衆から真に歓迎されるのである。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年7月18日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| 写真記事