対抗的色彩を強める「リムパック」、西側の冷戦思考を露呈

人民網日本語版 2022年07月14日16:15

米国主導の海上合同軍事演習「リムパック2022」がハワイ諸島、カリフォルニア州南部及び周辺海域で、8月4日までの日程で実施されている。同演習には、26ヶ国から将兵2万5000人、水上艦38隻、潜水艦4隻、戦闘機170機余りが参加している。人民日報海外版が伝えた。

その歴史を遡ると、環太平洋合同演習「リムパック」は冷戦の産物だと言える。1971年の開始当初は主にソ連を念頭に置いていた。米統合参謀本部が総合的調整、米海軍第3艦隊が具体的組織・実施を担い、これまでに27回実施されている。近年、米国はアジア太平洋で「インド太平洋戦略」を力の限り推し進めており、「リムパック」は対抗的色彩が一層濃くなり、西側の根深い冷戦思考を露呈している。

■徒党を組み、同盟体制を強化する

今年参加する26ヶ国の半数近くはNATO加盟国またはNATOとパートナーシップを結んでいる国だ。アジア太平洋地域のパートナー国として先日初めてNATO首脳会合に出席した日本と韓国も、「リムパック」で活発な動きをみせている。米国が「リムパック」を拠り所に、アジア太平洋へ触手を伸ばすことを加速するようNATOを指揮しながら、地域諸国を自らの軍事「クラブ」に引き入れようと必死になるのには、「インド太平洋戦略」に腰を据えて取り組む決意を示すという意図がある。結局のところ、米国が取っている手口は、依然としてイデオロギーによって線引きをし、同盟体制の強化によって自らの覇権を強化するという冷戦時代のやり方なのである。

■「仮想敵国」を作り、公然と陣営対立をする

冷戦時代の古い夢を蘇らせる「リムパック」は、当然ながら「共通の敵」を定めることを忘れはしない。米軍関係者は、リムパックは「強大な陣容」であり、「潜在的敵対国」は「力強い抑止のメッセージ」を受け取ることになるだろうと述べた。南中国海周辺諸国を軍事演習に引き込むことであれ、南中国海、東中国海、台湾海峡など敏感な地域を明らかに念頭に置いた演習内容であれ、米国の政治屋の言う「大国」や「潜在的敵対国」が指し示すものは非常に明白である。

■武力を盲信し、自らの覇権を維持する

今回の「リムパック」は参加国数、参加艦艇数、兵力配置のいずれにおいても過去最多となった。米国の「インド太平洋戦略」推進能力が各国から強く疑問視される中、米国が軍事演習を利用して武力を誇示し、「自由で開かれたインド太平洋の支援と促進」を旗印に掲げるのも、本質的には地域、さらには全世界における自らの覇権維持のためなのである。

冷戦の負の遺産の一つであるNATOは、長年にわたり米国主導で東への拡大を続け、ロシアの安全保障上の懸念を深刻に軽視し、欧州に分断と対立を生み、ついにはロシア・ウクライナ紛争を引き起こした。今また米国はアジア太平洋でブロック政治と陣営対立のシナリオの再演を企てている。これが地域の平和と安定、協力的発展という大局を損なうことは間違いなく、地域各国と国際社会は強く警戒する必要がある。

太平洋は平和的発展の舞台であり、ブロック対立の土俵ではない。21世紀の今日において、覇権主義的論理は時代の発展の潮流と相反し、平和を求め、協力を図り、発展を促すことこそが大勢の赴くところであり、人心の向かうところなのである。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年7月14日

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