中国外交部がペロシ米下院議長の台湾地区訪問について声明

人民網日本語版 2022年08月03日09:12

中国外交部(外務省)は2日、ペロシ米下院議長が中国台湾地区を訪問したことについて声明を発表した。声明の内容は以下の通り。

8月2日、ペロシ下院議長は、中国の強い反対と厳正な申し入れを顧みず、中国台湾地区を訪問し、「一つの中国」原則と中米間の3つの共同コミュニケの規定に深刻に違反し、中米関係の政治的な基礎を深刻に壊し、中国の主権と領土的一体性を深刻に侵害し、台湾海峡の平和と安定を深刻に破壊し、「台湾独立」分裂勢力に深刻に誤ったシグナルを送った。中国側はこれに断固反対し、厳しく非難する。すでに米国側に強い抗議と厳正な申し入れを行った。

世界には一つの中国しかなく、台湾地区は中国の領土の不可分の一部であり、中華人民共和国政府は中国を代表する唯一の合法的な政府である。1971年国連総会2758号決議はこれを明確にした。1949年に中華人民共和国が成立して以来、181ヶ国が「一つの中国」原則に基づいて中国と外交関係を樹立した。「一つの中国」原則は国際社会の普遍的共通認識であり、国際関係の基本的な準則である。

1979年、米国側は中米国交樹立コミュニケで、「アメリカ合衆国は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを認める。この範囲内で、米国民は台湾の人々と文化、ビジネスおよびその他の非公式関係を維持する」と明確に約束した。米議会は米政府の構成部分として、米政府の「一つの中国」政策を厳格に遵守し、中国台湾地区との公的往来を一切行わないべきである。中国側はかねてから、米国の議員の台湾地区訪問に反対しており、米国の行政当局はそれを阻止する責任がある。ペロシ下院議長は現在の米議会の指導者である以上、いかなる形、いかなる理由であっても台湾地区入りし、活動することは、米国と台湾地区の公的交流を行う重大な政治的挑発である。中国は決してこれを受け入れず、中国人民は決して許さない。

台湾問題は中米関係における最も重要で、最も核心的で、最も敏感な問題である。現在、台湾海峡情勢は新たな緊張と厳しい試練にさらされているが、その根本的な原因は台湾当局と米国側が絶えず現状を変えていることにある。台湾当局は「米国に頼って独立を図る」ことを繰り返し、「92年コンセンサス」を認めることを拒み、「脱中国化」を大いに進め、「段階的な台湾独立」を推し進めてきた。一方、米国は「台湾を利用した中国牽制」ことを企み、「一つの中国」原則を歪曲し、空洞化に取り組んで、双方の公的往来を強化し、「台湾独立」分裂活動を後押ししている。これは非常に危険な火遊びであり、火遊びをする者は必ず自らを焼く結果になるだろう。

中国政府と中国人民の台湾問題における立場は終始一貫している。国家主権と領土的一体性を守ることは14億余りの中国人民の確固たる意志であり、祖国の完全統一の実現は中華民族一人一人に共通の願いと神聖なる職責である。いかなる国、いかなる勢力、いかなる人も中国政府と人民が国家主権と領土的一体性、国家統一と民族復興を実現させるという確固たる決意と断固たる意志、および強大な能力を見くびってはならない。ペロシ下院議長が中国台湾地区を訪問したことに対し、中国は必ずあらゆる必要な措置を取り、断固として国家主権と領土的一体性を守り抜く。これによって生じた全ての結果は、米国と「台湾独立」分裂勢力が負わなければならない。

中米は2つの大国として、相互尊重、平和共存、対抗回避、協力ウィンウィンという正しい付き合いの道を貫かなければならない。台湾問題は完全に中国の内政であり、いかなる国にも台湾問題を裁く権力はない。中国は米国に対して、「台湾カード」を切り出して「台湾を利用した中国牽制」を企てることを止め、台湾問題への介入や中国の内政を干渉することを止め、あらゆる形の「台湾独立」分裂勢力への支持や唆し、台湾問題における言行不一致、「一つの中国」の原則への歪曲と空洞化を止め、実際の行動をもって「一つの中国」原則と中米間の3つの共同コミュニケの規定を厳守し、米国指導者の「四不一無意」(「米国は新冷戦を求めず、中国の体制転換を求めず、同盟関係を強化して中国に対抗することを求めず、台湾独立を支持せず、中国と衝突を起こす意図を有しない」)約束を確実に履行し、誤った危険な道に沿って歩み続けることを止めるよう厳正に促す。

「人民網日本語版」2022年8月3日

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