日本の原発汚染水の海洋放出に中国が重大な懸念を表明

人民網日本語版 2022年08月09日16:56

中国の李松軍縮大使は8日、第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議で、原子力の平和利用に関して中国の立場を全面的に明らかにするとともに、日本による原発汚染水の海洋放出の問題について重大な懸念を表明した。新華社が伝えた。

李大使は「日本が福島原発事故の汚染水を海洋に放出することによる、海洋の生態環境、食品の安全、人類の健康に対する潜在的影響は軽視できない。原発汚染水の海洋放出という日本政府の一方的な決定は、経済的コストを考慮したものに他ならず、安全な処分の手段を尽くしておらず、周辺諸国や国際機関と十分な協議も行っていない。日本国民の強い不満だけでなく、中韓露及び太平洋島嶼国も懸念を表明している」と指摘。

そして、「日本側の原発汚染水海洋放出案の正当性、データの信頼性、浄化装置の有効性、環境への影響の不確実性などの問題を、国際社会は強く注視している。国際原子力機関(IAEA)のタスクフォースは日本側の海洋放出案についてのレビューにおいて、まだ最終結論に達していないばかりか、数多くの改善意見を提出している。だが遺憾なことに、日本側はこれに耳を貸さず、海洋放出の準備を推し進め続けているうえ、海洋放出計画を慌ただしく承認した。既成事実作りを企てるこのようなやり方は、責任ある国のする事ではない」とした。

また、「日本による原発汚染水の海洋放出は、日本だけの事ではない。日本側は国際社会の懸念に真摯に応え、ステークホルダー及び関連国際機関との十分な協議という軌道に戻り、原発汚染水の海洋放出案を強引に推し進めることを止めるべきだ。日本側は、海洋放出以外の代替案を考慮し、IAEAの厳格な監視を受け入れることを含め、公開性、透明性、科学性、安全性を確保した形で原発汚染水を処分すべきだ。これは日本が国際責任を履行できるか否かを検証する試金石だ」と強調した。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年8月9日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| 写真記事