中国外交部(外務省)の3日の定例記者会見で、華春瑩報道官は日本の原発汚染水海洋放出に関する質問に答えた。
【記者】福島第一原子力発電所の原発汚染水の処分問題に関して、日本の岸田文雄首相が第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の一般討論演説で、国際原子力機関(IAEA)を含む国際社会と緊密に協力して、引き続き国内外の安全性基準に基づき、透明性をもってその努力を推進すると表明したとの報道について、中国側としてコメントは。
【華報道官】この問題に関して、中国はすでに繰り返し立場を表明しており、福島原発の原発汚染水の海洋放出という日本政府の一方的な決定に、重大な懸念と断固たる反対を表明してきた。中国代表団は、第10回NPT運用検討会議でも、この中国の立場を改めて明確にした。
昨年4月に日本政府がこの間違った決定をして以来、国際社会と日本国民の疑問や反対の声が止んだことはない。国際社会は一様に、原発汚染水の海洋放出が太平洋沿岸諸国に与えうる海洋環境や公衆の健康への影響を懸念するとともに、原発汚染水の海洋放出案の正当性、日本側データの信頼性、浄化装置の有効性、環境への影響の不確実性などの問題について、多くの疑問を投げかけている。IAEAは、現地での視察とレビューのためにタスクフォースを2回派遣したが、まだ日本側の海洋放出案について結論的意見に達しておらず、数多くの説明要求や改善提言も行っている。各方面の懸念を顧みず、独断専行で海洋放出計画を推し進める、このような日本側のやり方は極めて無責任だ。
我々は日本側に対して、各国及び自国民の正当かつ合理的な懸念に真摯に応え、尽くすべき国際的義務を的確に履行し、ステークホルダー及び関連国際機関と十分に協議し、科学的でオープンな、透明で安全な形で、原発汚染水の適切な処分方法を探るよう促す。そしてこれらが行われる前に、原発汚染水の海洋放出を勝手に始めるべきではない。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年8月4日