中国軍備管理・軍縮協会と中国核戦略計画研究総院は20日に北京で、研究報告書『危険な共謀:米英豪原子力潜水艦協力の核拡散リスク』を発表した。中国新聞社が伝えた。
報告書は「米英豪の原潜協力は、核保有国から非核国への兵器級核物質移転の危険な前例を作るもので、露骨な核拡散行為だ」と指摘。精確なデータや事例を通じて、米英豪の原潜協力がもたらす深刻な核拡散リスクと複合的な危害を客観的に分析し、提言を行った。
中国軍備管理・軍縮協会の張炎会長は、「3ヶ国の原潜協力は『兵器級核物質の不法移転』という重大で敏感な問題に関わる。『核兵器不拡散条約(NPT)』発効後、核保有国から非核国への兵器級核物質の1トン以上の大量移転はこれが初となる。これは核兵器100発近くを製造するのに十分な量であり、危険な前例を作り、深刻な核拡散リスクをもたらすものだ」と指摘した。
報告書は、「3ヶ国のこの行動はNPTの目的と趣旨への重大な違反であり、『国際原子力機関(IAEA)憲章』に直接違反し、IAEAの現行の保障措置システムに対する極めて大きな挑戦であり、『ラロトンガ条約(南太平洋非核地帯条約)』の精神を損ない、東南アジア非核地帯の構築に向けたASEAN諸国の努力を損なうとともに、核セキュリティー、原潜の軍拡競争、ミサイル技術の拡散など多方面に潜在的リスクと危害をもたらし、世界の戦略的均衡と戦略的安定性にも計り知れない負の影響をもたらすものだ」と指摘した。
NPTの第10回運用検討会議が近く開催される。張会長は「米英豪は国際社会の懸念に真摯に応え、国際法上の義務を的確に履行し、核不拡散問題におけるダブルスタンダードを止め、原潜協力を即時に停止し、完全に取り止めるべきだ」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年7月21日