中国の耿爽国連次席大使は23日、ウクライナの原発施設の安全の問題に関する国連安保理の会合で、「当事者は最大限の自制を保ち、原子力安全及び核セキュリティを脅かす行動を避けるべきだ。チェルノブイリ原発事故と福島原発事故の惨事を繰り返させては決してならない」と発言した。中国新聞社が伝えた。
耿国連次席大使は「ザポリージャ原子力発電所は、最近もなお砲撃を受けている。砲撃はまだ原発の安全性を直接脅かしてはいないが、グロッシ国際原子力機関(IAEA)事務局長が言ったように、この状況はいつでも変わり得る。原子力施設の安全及び核セキュリティの問題に試行錯誤の余地はない。不測の事態が一度でもあれば重大な原子力事故を招き、ウクライナと周辺諸国の生態環境や人々の健康に取り返しのつかない重大な結果をもたらす可能性がある。中国は関係当事者に対して、最大限の自制を保ち、関連国際法の規定を厳格に遵守し、グロッシ事務局長の示した柱となる7項目の原則を真摯に実行に移し、原子力安全及び核セキュリティを脅かす行動を避け、不測の事態が生じるリスクを最小化するよう、改めて呼びかける」と述べた。
耿国連次席大使は「原子力施設の安全及び核セキュリティの問題への対処においては、科学と理性、人道精神、意思疎通と協力を堅持しなければならず、政治的立場、敵対的不一致、軍事的考量を超越するべきだ。チェルノブイリ原発事故や福島原発事故の惨劇を繰り返させては決してならない」と強調。
「ザポリージャ原子力発電所の核セキュリティ上のリスクを根本的に排除するために、国際社会は責任ある方法で事態の緩和と沈静化を後押しし、外交努力と政治的解決に力を入れ、当事者を対話と交渉の再開、停戦の早期実現へと導かなければならない。中国は関係各者に対して、互いの安全保障上の合理的懸念を重視し、均衡的で実効性のある持続可能な安全保障構造を構築し、ウクライナ危機の適切な解決及び地域の恒久的な平和と安定のためにたゆまず努力するよう、改めて呼びかける」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年8月24日