イラスト作成・譚希光 |
米国は今年のG7サミットで「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の始動を宣言した。G7首脳は、中国の「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブに対抗すべく、発展途上国のインフラ整備のために6000億ドル(1ドルは約138.5円)を調達することが目標だと表明した。彼らは、「一帯一路」が「債務の罠」をもたらしたとも主張した。
実際には、西側諸国の銀行や資産運用会社など民間融資機関こそが、多くの発展途上国の主要な債権者なのである。欧州債務・開発ネットワーク(Eurodad)が重点債務国31ヶ国を対象に実施した研究では、ソブリン債の95%が西側の金融機関によって保有されていることが判明した。世界銀行は、中低所得国が今後7年間で総額9400億ドルの元本返済・利払いを迫られると試算する。このうち、西側の商業債権者への返済が3566億ドル、多国間機関への返済が2730億ドルで、合計67%に達する。
今年に入ってから、1980年以降最も深刻なインフレ圧力に対処するため、米連邦準備制度理事会(FRB)は大幅な利上げを相次いで実施した。米ドルの世界通貨としての優勢的地位を利用して、米国は事実上、インフレを世界にシフトさせているのである。発展途上国は、自国通貨が下落し、資本が流出し、借入コストが上昇し、債務返済の基盤が崩壊した。
米欧の一部の政治屋やメディアは、発展途上国をインフレ危機に陥らせておきながら、いわゆる「中国の債務の罠」を意図的に誇張しているが、国際社会の識者はだまされはしないだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年9月1日