中国の李松軍縮大使は28日の国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)で発言し、米国の「核態勢の見直し(NPR)」を批判した。新華社が伝えた。
李大使は「このNPRは、核兵器を手中に握っている米国が、この世界をどのように見て、他の国々をどのように見ているのかを人々が明確に認識する助けとなった。NPRは大国間競争と陣営対立を力の限り誇張し、冷戦思考とゼロサムの価値観に満ちており、米国による絶対的な軍事的優勢の追求と覇権論理を反映しており、核戦争の防止、核軍拡競争の回避という国際社会の期待と逆行するものだ。米国は国家安全保障政策における核兵器の役割をさらに強化し、核兵器使用の要件を下げて、日増しに核衝突リスクの源となってきている。米国が新たに打ち出した核戦略及び関連政策・ルールが、世界の戦略的安全保障及び安定性、大国間の戦略的安全保障関係、国際的及び多国間の核軍備管理、軍縮、不拡散のプロセスに対して、複雑で計り知れない、深刻な負の影響を与えることは必至である」と指摘。
「米国はNPRで中国の正常な核戦力の現代化に対してあれこれ批判し、勝手な推測をし、公然と中国を念頭に置いた核抑止力戦略を策定した。中国はこれに重大な懸念と断固たる反対を表明する。中国は米国に対して、常に覇権的心理で他国を推し量り、他国を想像でライバルや敵手にすることのないよう忠告する」と述べた。
また「中国には国家安全保障上の利益を守る能力と自信があり、米国の核による威嚇ではびくともしない」と強調。米国に対して、冷戦思考と覇権的論理を棄て去り、理性的で責任ある核政策を取り、核軍縮における特別で優先的な責任を的確に履行し、世界の戦略的安定性の維持、世界の平和と安全の増進にしかるべき役割を果たすよう促した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年10月31日