新型コロナウイルス感染拡大の影響で、宅配物が急増し、多くの配達員が残業しながら、息をつく暇もなく働き続けている。北京市のある宅配便営業所をこのほど取材したところ、冬の寒空の下、配達員は1人あたり1日に100個から200個もの荷物を配達していた。中央テレビニュースが報じた。
寒空の下で配達を続ける配達員 仕事量は通常の3-4倍に
北京市のある宅配便営業所はまだ薄暗い早朝6時、すでに活気にあふれていた。ピッキング、消毒、荷物の整理、積み込みといった作業が、約300平方メートルの半屋外の作業場で行われていた。配達員の洪蛟さんと同僚28人は、普段の3-4倍の仕事量となる1日約1万2000個もの荷物をピッキングして配達しなければならない状態だった。配達員たちは作業効率を高めるために、「ユーティリティープレイヤー」になって車両を指揮したり、配達先ごとに荷物をまとめたり、時には棟ごとにまとめるなどして、様々な工夫をしている。
北京市の他の営業所から応援要員として派遣されてきた洪さんは、周辺の地理にはまだ慣れていないものの、「どんな時でも、困難より解決法のほうが多いもの」と、ひるむことなく仕事をこなしている。
洪さんがその日配達したのは主に、生鮮食品や食用油、飲用水など、最近急増している「主力商品」だ。洪さんの配達について行くと、ほとんどの客が「無接触式受け取り」を選択し、新型コロナウイルス感染防止のために、「ドアの前に置いておいてほしい」と依頼していた。そして配達予定時間より遅れていた場合でも、洪さんが理由を説明すると、ほとんどの客が理解を示し、「大丈夫。お疲れ様です」とねぎらっていた。
周辺の地理を熟知していないため、洪さんが1台分のトラックの荷物を配達するのにかかった時間は、通常の2倍だった。荷物を取りに営業所に戻ろうとしていた時、安徽省に住んでいる娘からビデオ通話がかかり、「パパ、いつ帰って来るの?」と聞かれていた。娘のさみしそうな顔を見た洪さんは、「春節(旧正月、2023年は1月22日)の時には帰るから」と娘を慰めていた。
洪さんは、「家族からは早めに帰省してほしいと言われているが、ここに残って、自分にできる限りのことをすることにした」と話す。
午前の仕事を終えた洪さんは、昼食を食べた後、引き続き配達に向かうと話し、「大丈夫。午後は通常、数十個は配達できる。地理に詳しくない場合でも1日に100個以上は配達できるので、道に慣れたら200個は配達できると思う」と話した。
新型コロナウイルスに感染する危険を冒しながら、配達員は寒空の下、今日も必死に荷物を客たちの元に届けている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月21日