国際原子力機関(IAEA)が発表した日本の福島原発汚染水の処分に関する包括報告書について、中国生態環境部(国家核安全局)の担当者がこのほど、記者の質問に答えた。
【記者】ネット上では、中国の原子力発電所のトリチウム放出量は、日本の福島原発汚染水のトリチウム放出量の6.5倍だと伝わっているが、事実はどうか。
【担当者】実際には、日本の福島原発汚染水と世界各国の原発の通常運転による液体流出物には本質的な違いがある。第1に発生源が異なり、第2に放射性核種の種類が異なり、第3に処理の難度が異なる。日本の福島原発汚染水は、事故後に溶融損傷した炉心に注入された冷却水と、原子炉内に浸透した地下水や雨水に由来し、溶融炉心に存在する様々な放射性核種を含んでおり、処理が困難だ。これに対し、原発の通常運転によって生じる廃水は、主にプロセス排水や地面排水などによるものであり、少量の核分裂性核種を含むが、国際的に通用する基準を厳格に遵守し、実行可能な最良の技術で処理され、基準値を満たすことを厳格に監視測定した後、組織的放出が行われ、放出量は定められた規制値を大幅に下回る。
世論を惑わすことを企てる動きに対して、強く警戒する必要がある。我々が反対しているのは日本の福島原発汚染水の海洋放出であり、原発の通常運転による放出に反対したことはない。日本の福島原発汚染水に関してミスリードする宣伝が事実や真実に取って代わることはできず、口約束が実際の結果に取って代わることはできず、入念に取り繕った計画によって危害を押し付ける企てを覆い隠すことはできず、限定的な選択的抜き取り検査が長期的で公正な国際的監視に取って代わることはできない。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年7月6日