中国が東南アジアで切った4つの有効なカード
李克強総理の乗る特別機が上げる離陸の轟音とともに、中国新指導部発足後初の政府首脳による東南アジア訪問が幕を開けた。国家主席と総理による相次ぐ東南アジア訪問を通じて、切るべきカードを持ち、カードの切り方にも精通しているという中国外交の新たなイメージを人々は感じ取った。2週間近くの間に、中国は東南アジアで少なくとも4つの有効なカードを切った。コネクティビティ、経済の明るい展望、海上協力、「親戚同士の縁組」だ。(文:葉海林・中国社会科学院グローバル戦略院国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国が長年の力の蓄積を経て、近隣国を始め諸外国との関係を処理するにあたり支配できる資源が増え、投入できる力が大きくなっていることは、すでに争う余地のない事実だ。だが国際関係の駆引きが単なる力の競争であったことはない。駆引き相手を上回る力を持つだけでは、自国の戦略の順調な実施を確保するには不十分だ。戦略が思い通りの成果を上げるには、強大な力だけでなく、それ以上に力を高い水準で使用する必要がある。多くの状況では、力の使用方法を断固貫徹する決意も必要だ。この3つのうち1つも欠けてはならない。これも繰り返し検証されてきた事実だ。
中国国家指導者の今回の東南アジアシャトル訪問によって、中国の持つ外交資源が潤沢になってきたことがはっきりと示されただけでなく、東南アジアを始めとする全世界は中国が力の運用テクニックに熟達してきたことを感じ取り、既定の戦略を堅持するとの中国の決意が揺るぎなくなっていることを身をもって理解した。
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