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宮沢賢治の理想郷をテーマにしたトークショーが北京で開催 

人民網日本語版 2015年05月25日10:39

トークショーの会場司会者の王小燕氏と作曲家の富田勲氏富田勲氏あいさつするKAGAYA氏あいさつする北京天文館館長の朱進氏北京天文館館長の朱進氏、富田勲氏、木蘭創意文化株式会社取締役会長の耿忠氏、KAGAYA氏KAGAYA氏がファンの記念ポスターにサインする北京天文館館長の朱進氏が富田勲氏に記念品を贈る銀河鉄道の夜銀河鉄道の夜銀河鉄道の夜銀河鉄道の夜銀河鉄道の夜
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北京天文館と株式会社ムーランプロモーション共催の「理想郷に集結- 富田勳×KAGAYAスペシャルトークショー」が21日、北京天文館プラネタリウムシアターで開催され、シンセサイザー音楽の巨匠・富田勲氏とデジタルペインティングの世界的先駆者KAGAYA氏が出席した。

今回のイベントは、雄大な音楽をバックに、KAGAYA氏が創作した宮沢賢治の同名小説をテーマにしたCG映像「銀河鉄道の夜」で開幕し、富田勲氏の有名な組曲「惑星」でクライマックスを迎えた。トークショーでは、富田勲氏とKAGAYA氏が、創作過程をより深く観客に理解してもらうため、宇宙をテーマにした作品を創作する際のインスピレーションの源や心境について語った。こうして、宮沢賢治の世界観や宇宙の魅力をテーマにした史上初のジャンルを超えた巨匠同士のトークショーが北京で行われた。

■富田勲氏、「北京は第2の故郷」

富田勲氏と北京の間には不思議な縁がある。富田氏は子供の頃、漢方薬関連の仕事をしていた父親に連れられて北京に訪れた際に、天壇公園に行った。天壇公園の園丘壇の上に立って言葉をしゃべった時、自分の声と宇宙の声がまさに一体になったことに気付いた。そして、この奇妙な感覚に、心が深く揺さぶられた。その時から、富田氏は声に対して極めて敏感になったのだという。今回の北京訪問でも、富田氏は再び天壇を訪れた。夢が始まった場所に再び立った時、富田氏は深い感銘を受けた。トークショーでも、富田氏は感慨深い様子で、「私にとって、北京は第2の故郷と言える」と語った。

■自分の音楽が好きだと言ってくれる人がいることが、最大の励まし

今年83歳を迎えた富田氏の音楽への創作意欲は今もとどまるところを知らない。富田氏は、「私の音楽を好きだと言ってくれる人がいることが、創作を続ける原動力となっている。みんなが喜んでくれると、私も嬉しい」と語る。2007年第10回上海国際映画祭で、映画「武士の一分」で最優秀音楽賞を受賞した。毎回この話題になると、富田氏の顔には柔和な笑顔が浮かぶ。富田氏は、「この幸せは、一生忘れない」と語った。

富田氏は「暮らしながら老い、創作しながら老いる」という信念を実践し、20日の夜、北京世紀劇院で「理想郷 イーハト―ヴ交響曲」を初めてボーカロイド初音ミクと共演し、観客に視覚と聴覚によるスペシャルな盛宴を体験させた。

■KAGAYA「銀河はこんなにも美しい。見に行ってみたい」

KAGAYA氏は中国の人々には良く知られた存在だ。恐らく、12星座シリーズの作品が中国で人気を博したことによるのだろう。「銀河鉄道の夜」はKAGAYA氏が3年をかけて制作した初のCG映像で、2007年に北京天文館で上映され、多くの熱狂的な中国人ファンを獲得した。KAGAYA氏は自分のことを、「新しいことを追い求めることが好きで、他の人がやっていないことほど、挑戦したくなる」と分析した。また、「見た事がないものを描くのは難しい。しかし、絵にしたからには、あらゆる人々にその物をリアルだと感じさせなければならない」と語った。

■創作に値する織女と牽牛の七夕伝説

KAGAYA氏は、次の作品はすでに頭の中に雛形があり、将来的にはもしかすると宇宙旅行や海底旅行を題材にした作品を制作するかもしれないと語った。また、これまでの創作過程で織女と牽牛の物語をテーマにすることを何度が考えたことがあると告白した。この美しい伝説は中国だけでなく、日本でも同様に広く知られている。KAGAYA氏は、「日本は七夕祭りを祝う。七夕伝説は日中の両国の人々が共に好きな物語であり、今後自分の作品の中に登場する可能性は高い」と語った。

日本の著名な詩人・作家の宮沢賢治の故郷、岩手県花巻市は地震による津波に何度も襲われたことがある。これらの自然災害に翻弄された体験は宮沢賢治の世界観に非常に大きな影響を及ぼした。宮沢賢治が唱える理想郷(イーハトーブ)は、おそらく宮沢賢治の宇宙や時間、人生に対する深い思考の中から生まれたものだ。時に暴風雨の洗礼を受け、時に素朴で静かな生活に戻る。それでも唯一変わらないのは、燃えるような初心だ。富田勲氏の音楽やKAGAWA氏のCG映像は、一見すると異なるジャンルに思えるが、宮沢賢治が追及する理想郷という理念の上では暗黙の共通点がある。(編集MZ)

「人民網日本語版」2015年5月25日            

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