2013年初期の「アベノミクス」スタート後、今年4月になって初めて日本のデパートにおける外国人観光客の消費額がマイナスに転じた。これは円高によるところが大きく、強い円相場を受けてこれまで「豪快に」買い物していた外国人観光客は日本で高級腕時計やブランドバッグといった高額の商品を買わなくなった。だがオムツやスキンケア製品などの高価でない商品は引き続き人気を集めている。一財網が伝えた。
日本国内には、円高が観光産業の繁栄にとって脅威になっていることを危ぶむ声がある。
▽つまずいた「アベノミクス」
年初以来、円の対ドルレートの累計上昇幅は12%を超えた。分析によると、日本政府は20年をめどに訪日外国人観光客の人数と消費額がいずれも現在より倍増して、のべ4千万人と730億ドル(約7兆9767億円)に達すると見込む。これは目下好調とはいえない「アベノミクス」にとっても必要なことだ。だが願いとは裏腹に、持続的な円高を受けてこれまでに到達した絶対的な観光客数が減少し始めている。
英国紙「フィナンシャル・タイムズ」が紹介したSMBC日興証券の渡辺広エコノミストの話によると、「こうした動きはアベノミクスの限界や、弱い日本円への過度の依存を露呈するものだ」という。12年末に安倍晋三首相が登壇すると、一連の経済活性化政策を迅速にうち出して日本経済の復興を促した。中でも最も注目を集めたのは金融緩和政策と急激な円の値下がりだった。
今年第1四半期(1-3月)に、日本経済の成長ぶりは予想を上回って好調だった。内閣府が18日に発表したデータをみると、国内の個人消費の伸びに後押しされて、同期の国内総生産(GDP)は前期比0.4%増加し、年率換算で1.7%増加した。だが多くの分析が示すように、円高が続けば、日本銀行(中央銀行)がインフレ目標の達成を目指して行ってきた努力が無駄になり、日本経済の復興が妨げられることになる。