スタバの「猫爪グラス」が大人気 若い女性の心つかむ

人民網日本語版 2019年03月05日13:05

買うために徹夜で並び、発売されると「喧嘩騒ぎ」まで起こり、「1秒で売り切れ」て、さらに数千元(1元は約16.7円)のプレミア価格に。スターバックスがこのほど発売した「猫爪グラス」はここ数日、インターネットで最も注目を集めた話題であることは間違いない。その後、スタバは3日間にわたり1日1千個限定販売する予定だった計画を、一日ですべて売り切るように販売計画を修正した。しかし、「発売と同時に売り切れた」ということで、多くのネットユーザーが、「このカップを手に入れるのは、春運(春節<旧正月>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)の鉄道チケット争奪戦よりも大変だ」と嘆く。実店舗で全く手に入らないだけでなく、ECプラットフォームでもわずか2日間で4千個が売り切れた。この異常なほどの人気は、コーヒー市場のシェア争奪戦に巻き込まれているスタバにとって、格好の話題作りになった。「北京日報」が伝えた。

▽「猫の手」で争奪戦勃発

「猫がニャーと鳴くほどの短時間で、あっという間に売り切れていた」と語る張さんは3千個が発売される日の午後、携帯電話の画面をずっと注視し、初めてこの「秒単位の争い」に参戦した。彼女も発売した瞬間に売り切れる事態は想定していなかったという。

このカップは外側に桜の花がデザインされており、二重になった内側は猫の手の形をしており、色のついた飲み物を注ぐとその形が浮かび上がり、その様子はまるで可愛らしい猫が手を振って挨拶しているようだ。この「猫爪グラス」はインターネットで突然人気に火がつき、ネットユーザーたちの熱狂的な支持を集めることとなった。

張さんが初めてこのカップを見たのは、SNSの小紅書のアプリでだった。「コロンとした形を見た瞬間、私の乙女心がわしづかみにされた」という。スタバでの発売前からショート動画コミュニティ・Tik Tokや小紅書などで話題になり、ネットユーザーたちの購買意欲をあおっていた。正規の販売価格は199元だが、非公式なプレミア価格はすでに1千元ぐらいになっていた。このカップを手に入れようと、深夜にスタバ店舗前で待ち構える人もおり、2月26日に発売になると、なんとしても手に入れたい人々が店内で喧嘩騒ぎまで起こした。

これほどの事態になるとはスタバ側も予想していなかったようだ。スタバ中国法人は26日に微博(ウェイボー)を通じて、「猫爪グラスは急ピッチで追加生産しており、近く天猫(Tmall)のスタバ旗艦店に並びます」と発表。また2月28日から3月3日まで、毎日午後3時からネットで1日あたり1千個販売するとしていた計画を変更し、1日午後3時から残り3千個を一気に販売することにした。

そして3月1日。まるで「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)の商品争奪戦のように、開始早々に大量の顧客フローが押し寄せ、多くの人が無駄足を踏むことになった。天猫が提供したデータによれば、2月28日午後3時に売り出した1千個はわずか0.07秒で売り切れ、検索ワードで「猫爪グラス」が急上昇して検索件数が8800%増加し、お気に入りに加えた人は30万人を超えた。

スタバは販売数をわざと少なくして購買意欲をあおっているのではないかと疑問の声を上げる人も少なくないが、スタバはこうした見方を否定し、「手に入らない事態は、当社にとっても本当に想定外だった」としている。しかし猫爪グラスの販売計画はこれまでの新製品の時とは異なっていた。

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