網膜色素変性症は遺伝性の眼病だ。一般的には30歳までに発症し、後期になると黄斑の疲労により視力が損なわれ失明に至る。現在は臨床上、効果的な治療手段がない。中国科学院幹細胞・再生医学革新研究院(以下「同研究院」)が17日に発表した情報によると、中国科学院は「ヒト胚性幹細胞由来の網膜色素上皮細胞による網膜色素変性症の治療」臨床研究プロジェクトを始動した。幹細胞技術により網膜色素変性症の患者に福音をもたらす。科技日報が伝えた。
幹細胞による網膜色素変性症の治療プロジェクトと同時に、幹細胞による卵巣機能不全の治療及び中・重度子宮内癒着の治療に関する臨床研究プロジェクトが始まった。
幹細胞は各種疾患の治療に用いることができ、応用の広範な将来性を持つため、各国が競うようにして先端研究を展開している。同研究院院長、中国科学院の周琪院士によると、同研究院は中国第1期となる国によって登録された幹細胞臨床研究プロジェクトを率先して始動した。中国初の臨床級幹細胞バンクを構築し、中国の幹細胞分野の研究の規範化・標準化を推進した。2017年には中国初の幹細胞汎用基準を発表し、今年はさらに中国初の胚性幹細胞(ES細胞)の製品基準を発表した。
中国国内では4期・35件の幹細胞臨床研究プロジェクトが、国家衛生健康委員会及び国家食品薬品監督管理局に登録されている。中国科学院がうち10件を主導している。そのうちパーキンソン病、加齢黄斑変性、半月板損傷など7件の幹細胞臨床研究は、ヒト胚性幹細胞分化に基づき展開される世界で最も体系的な臨床研究だ。一部のプロジェクトはすでに一定の段階的な成果を上げている。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月18日