中国科学院生物化学・細胞生物学研究所の周斌氏の研究チームは最新の研究により、人の体内に存在する肺の再生に関与する肺多能性幹細胞が需要に基づき分化し、肺内の「境界をまたぐ修復」が可能であることを明らかにした。関連成果は19日、国際的な学術誌「ネイチャー・ジェネティクス」に掲載された。科技日報が伝えた。
これまでの研究によると、肺組織が損傷を受けた場合、肺呼吸機能の正常を維持するように、様々な気管支上皮細胞と肺胞上皮細胞が大量に増殖・分化し、損傷を受け死亡した細胞の代替・補充を果たすことになる。これらは強い機能を持つが、一つの分野のみに専念する。つまり異なる位置にある上皮細胞は、各自のエリアの上皮組織のみを維持・修復する。
近年、新たな肺多能性幹細胞であるBASCs (Bronchioalveolar stem cells) を提唱してきた科学者がいる。これは小気管支と肺胞が交わる部分にあり、気管支上皮棒状細胞とⅡ型肺胞上皮細胞の分子特徴を持つ。しかしこれらの細胞が体内に本当に存在するのか、分化の潜在力を持つかについては意見が分かれていた。
周氏の研究チームは新型の二重相同組み換えマーキング技術を利用し、マウスの体内で特異性マーキングとBASCsの追跡を実現した。BASCsが確かに存在することを証明すると同時に、正常な条件下であればBASCsが徐々に自己更新を実現し、肺機能を維持することを発見した。研究者はさらに一連の実験を通じ、BASCsが異なる損傷モデルの中で「境界をまたぐ」多方向分化の潜在力を持つことを発見した。薬物を使い肺気管支を損傷させると、BASCsは気管支上皮棒状細胞と繊毛細胞に増殖・分化することができる。薬物を使い肺胞を損傷させると、これらのBASCsはⅠ型・Ⅱ型肺胞上皮細胞に増殖・分化し、肺機能を回復させることができる。
この研究は肺の損傷の修復、再生医学に新たなアプローチをもたらし、肺疾患の幹細胞治療に確かな理論的基礎を築いた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月21日
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